コシノコバイモ

コシノコバイモ
福島県会津地方 2017年5月上旬
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ユリ目 Liliales
: ユリ科Liliaceae
: バイモ属 Fritillaria
: コシノコバイモ
F. koidzumiana
学名
Fritillaria koidzumiana Ohwi[1]
シノニム
  • Fritillaria japonica Miq. var. koidzumiana (Ohwi) H.Hara et Kanai[2]
和名
コシノコバイモ(越の小貝母)[3]
ウィキメディア・コモンズには、コシノコバイモに関連するメディアがあります。
ウィキスピーシーズにコシノコバイモに関する情報があります。

コシノコバイモ(越の小貝母、学名:Fritillaria koidzumiana)は、ユリ科バイモ属多年草[3][4][5][6]

特徴

地下の鱗茎は2個で半球形の鱗片からなる。の高さは10-20cmになり、は下部では対生し、上部では3輪生し、葉身は披針形から広線形となる[3][4][5][6]

花期は4-5月。は茎先に下向きに1個つく。花は淡黄色の広鐘形で、花被片は長さ2cm、中部下寄りで外側に角張って張り出す。花被片の基部や縁に暗紫色の網目状の斑紋があり、花被片内側の中部より下側、下側から3分の1 - 5分の2の位置から上に向かう腺体がある。花被片内側の中脈と内花被片の縁に著しい毛状突起があるのがこの種の特徴。花被片より短い雄蕊が6個あり、葯はクリーム色になる。子房は3室あり、各室に多数の胚珠がある。果実蒴果で胞背裂開し、種子には狭い翼がある[3][4][5][6]

分布と生育環境

日本固有種[7]。本州の山形県から石川県にかけた日本海側、静岡県岐阜県愛知県に分布し、山地の林内に生育する[5][6]。まれに見られる植物である[6]

名前の由来

コシノコバイモは、「越の小貝母」の意で、旧越後国である新潟県に産するコバイモのこと[3]とされているが、タイプ標本は、旧越中国である富山県東砺波郡蓑谷村(現在の南砺市)で採集されたもの[1]である。

種小名(種形容語) koidzumiana は、日本の植物学者小泉源一への献名である[5]

ギャラリー

  • 上部の葉は3輪生、下部の葉は対生する。
    上部の葉は3輪生、下部の葉は対生する。
  • 内花被片の縁に突起がある。
    内花被片の縁に突起がある。
  • 花被片内側の中部より下側の位置から上に向かう緑色の腺体があり、毛状突起がある。
    花被片内側の中部より下側の位置から上に向かう緑色の腺体があり、毛状突起がある。
  • 葉は下部では対生し、上部では3輪生する。
    葉は下部では対生し、上部では3輪生する。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b コシノコバイモ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ コシノコバイモ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.70
  4. ^ a b c 『山溪カラー名鑑 日本の野草』p.626
  5. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.861, p.1332
  6. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 1』pp.170-171
  7. ^ 『日本の固有植物』p.158

参考文献

  • 林弥栄編『山溪カラー名鑑 日本の野草』、1983年、山と溪谷社
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 加藤雅啓海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』、2015年、平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)


  • 表示
  • 編集