サラスヴァティー川

インダス文明の遺跡群の中央を流れていたと考えられるサラスヴァティー川(Sarasvati)。
現在のタール砂漠の真ん中を流れていたと考えられている。

サラスヴァティー川サンスクリット語 सरस्वती नदी sárasvatī nadī)は、古代インドの諸文献において言及されている、現在は無くなった河川である。現在のガッガル・ハークラー涸河床であるとする説がある。特に『リグ・ヴェーダ』において、宗教的な文脈等で重要な役割を果たしており、この川を賛美する賛歌が存在する。既にブラーフマナにおいては、サラスヴァティー川は砂漠に干上がったということが述べられている。サラスヴァティー女神は、元来はこの川を神格化した神である。

サラスヴァティー川は、シンドゥ七大河の筆頭の河川であり、「河川賛歌」に賛美される十の河川のうちのひとつでもある。また、『リグ・ヴェーダ』において、ひとつの賛歌全体がひとつの河川を賛美するものであるのは、このサラスヴァティー川の賛歌のみである。

サラスヴァティー川が現実のどの川であるかは諸説あって不明である。主な説に

がある。

脚注

  1. ^ Rajesh Kocchar (2012). “On the identity and chronology of the Ṛgvedic river Sarasvatī”. In Roger Blench; Matthew Spriggs. Archaeology and Language III: Artefacts, Languages and Texts. Routledge. pp. 257-267. ISBN 1134855869 

参考文献

ウィキメディア・コモンズには、サラスヴァティー川に関連するカテゴリがあります。
  • 前杢英明・長友恒人「消えた大河とインダス文明の謎」(長田俊樹編 『インダス 南アジア基層世界を探る』)京都大学学術出版会、2013年。