タイムズ文芸付録

タイムズ文芸付録
The Times Literary Supplement
編集者 マーティン・イヴェンス(英語版)
カテゴリ 文学, 時事
刊行頻度 年50回
発行者 ニューズUK(英語版)
創刊年 1902年 (122年前) (1902)
イギリス
拠点 ロンドン
言語 英語
ウェブサイト www.the-tls.co.uk
ISSN 0307-661X
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『タイムズ文芸付録』 (タイムズぶんげいふろく、The Times Literary Supplement (TLS)) は、ニューズ・コープ傘下にあるロンドンニューズUK(英語版)が発行する、週刊の文芸雑誌である[1]。世界各国のあらゆる分野の新刊の書評を中心に掲載している[1]

概要

『タイムズ文芸付録』は1902年にイギリスの日刊新聞『タイムズ』の付録として創刊された[2]。その後、1914年に独立して刊行されるようになった[3]T・S・エリオットヘンリー・ジェイムズヴァージニア・ウルフといった多くの著名な作家が寄稿した。初代編集長はジェームズ・サーズフィールド(英語版)であったが、まもなくブルース・リッチモンド(英語版)が編集長となり[4]、彼は1937年までその職を務めた。

1932年には『タイムズ』と共に『タイムズ文芸付録』も印刷活字をTimes New Romanに変えたが[5]、それに携わったスタンレー・モリスンは、1945年から1947年まで『タイムズ文芸付録』の編集長を務めた。

1974年までは批評は通常匿名であったが、ジョン・グロス(英語版)が編集長になってから署名入り批評が導入されるようになった[1][6]。これは大変な議論を呼んだ。「匿名批評は他の出版社では一般的だったかもしれないが、その時代は過ぎた」とグロスは語り、「私は個人的に、批評者は自分の主張に責任を持つべきだと考えている」と付け加えた[6]

TLSのオフィスはロンドンのニューズビル(英語版)に本拠地がある。編集長は2020年6月から、スティッグ・エイベル(英語版)の後を継いだマーティン・イヴェンス(英語版)が務めている[7][8]

TLSには、D・M・トーマス(英語版)[9][10]ジョン・アッシュベリーイタロ・カルヴィーノパトリシア・ハイスミスミラン・クンデラフィリップ・ラーキンマリオ・バルガス・リョサヨシフ・ブロツキーゴア・ヴィダルオルハン・パムクジェフリー・ヒル(英語版)、そしてシェイマス・ヒーニーなど多くの作家のエッセイ、批評、詩が掲載されている[11]

2010年のノーベル文学賞を受賞した小説家のマリオ・バルガス・リョサ[12]はTLSについて、「私が話している5か国語の中で、最も真面目で、権威があり、ウィットに富み、多様で刺戟のある文芸誌だ」[13]と書いているように、多くの作家がこの刊行物を必要不可欠だと評価している。

歴代編集長

  • 1902年: ジェームズ・サーズフィールド(英語版)
  • 1902年: ブルース・リッチモンド(英語版)
  • 1938年: デビッド・マレー(英語版)
  • 1945年: スタンレー・モリソン
  • 1948年: アラン・プライス=ジョーンズ(英語版)
  • 1959年: アーサー・クルック(英語版)
  • 1974年: ジョン・グロス(英語版)
  • 1981年: ジェレミー・トレグロウン(英語版)
  • 1991年: フェルディナンド・マウント(英語版)
  • 2003年: ピーター・ストサード(英語版)
  • 2016年: スティッグ・エイベル(英語版)
  • 2020年: マーティン・イヴェンス(英語版)

関連項目

脚注

  1. ^ a b c 『世界大百科事典. 17(改訂新版)』平凡社、2007年9月、115頁。ISBN 978-4-582-03400-4。 
  2. ^ May, Derwent (2001). Critical times : the history of the Times literary supplement. HarperCollins. p. 1. ISBN 0007114494. NCID BA55256506 
  3. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 95 
  4. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 20 
  5. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 193 
  6. ^ a b May (2001). Critical times. HarperCollins. pp. 419-420 
  7. ^ Comerford, Ruth (24 June 2020). “Martin Ivens to become TLS editor as Stig Abell departs”. The Bookseller. https://www.thebookseller.com/news/martin-ivens-named-new-editor-tls-1207920# 2020年7月1日閲覧。. 
  8. ^ Tobitt, Charlotte (2020年6月24日). “Ex-Sunday Times editor Martin Ivens takes helm at TLS as Stig Abell focuses on radio”. PressGazette. https://www.pressgazette.co.uk/ex-sunday-times-editor-martin-ivens-takes-helm-at-tls-as-stig-abell-focuses-on-radio/ 2020年7月1日閲覧。 
  9. ^ “Ararat”. 2023年6月20日閲覧。 “The TLS asked me to review an Anthology of Armenian Poetry, edited by Diana der Hovanessian.”
  10. ^ McCulloch, Andrew. “'Stone'”. The Times Literary Supplement. https://www.the-tls.co.uk/articles/stone-poem-of-the-week/. "In 1978, the poet, translator and novelist D. M. Thomas drew a useful distinction between twentieth-century English and Russian poetry in a TLS review of a collection of poems by Osip Mandelstam." 
  11. ^ "TLS writers past and present", Times Online. Archived 17 May 2009 at the Wayback Machine.
  12. ^ “The Nobel Prize in Literature 2010”. The Nobel Prize (2010年10月7日). 2019年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月17日閲覧。
  13. ^ Fulford, Robert (Spring 2014). “Neither Times, nor Literary, nor Supplement”. Queen's Quarterly 121: 72–81. http://www.robertfulford.com/tls-2014.html. 

参考文献

  • May, Derwent. Critical Times: The History of the Times Literary Supplement, 2001, HarperCollins, ISBN 0-00-711449-4.

外部リンク

  • 公式サイト 2023年6月20日閲覧。
  • Times Literary Supplement, typescripts of poems submitted between 1962 and 1967. Special Collections: University of Leeds. BC MS 20c TLS. 2023年6月20日閲覧。
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