デニス・ハルム

デニー・ハルム
Denny Hulme
OBE
基本情報
フルネーム デニス・クライヴ・ハルム
Denis Clive Hulme
国籍 ニュージーランドの旗 ニュージーランド
出身地 モトゥエーカ
生年月日 (1936-06-18) 1936年6月18日
死没地 オーストラリアの旗 オーストラリアニューサウスウェールズ州バサースト
没年月日 (1992-10-04) 1992年10月4日(56歳没)
F1での経歴
活動時期 1965-1974
所属チーム '65-'67 ブラバム
'68-'74 マクラーレン
出走回数 112
タイトル 1 (1967)
優勝回数 8
表彰台(3位以内)回数 33
通算獲得ポイント 248
ポールポジション 1
ファステストラップ 9
初戦 1965年モナコGP
初勝利 1967年モナコGP
最終勝利 1974年アルゼンチンGP
最終戦 1974年アメリカGP
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デニス・クライヴ・"デニー"・ハルム(Denis Clive "Denny" Hulme、OBE1936年6月18日 - 1992年10月4日)は、ニュージーランド出身のレーシングドライバーデニス・フルムと表記されることもある。

略歴

F1

ブラバム時代

1965年にブラバムからF1デビューし、計6戦に参加。第4戦フランスGPで4位、第6戦オランダGPで5位と2度の入賞を果たした。翌1966年は、第3戦フランスGPで3位に入り、初の表彰台を記録。年間で2位1回、3位3回を記録し、シリーズ4位となった。

1967年には、第2戦モナコGPで初優勝、この時点でランキングトップに立つ。第7戦ドイツGPでも優勝する等、この年11戦中2勝、2位3回、3位3回、4位1回と安定した成績を残し、モナコ以後一度もランキングトップの座を譲らず、ワールドチャンピオンを獲得。尚、ハルムはF1史上初となるポールポジションを1度も獲得せずにワールドチャンピオンとなったドライバーである。

チームのNo.1ドライバー兼オーナーのジャック・ブラバムを破ってのチャンピオン獲得劇だったが、このことは同年限りでチームを追われる原因となった。

マクラーレン時代

1968年のハルム(アメリカGPにて)

翌1968年、同郷出身の友人であるブルース・マクラーレンが1966年に設立したマクラーレンチームに、ファーストドライバーとして移籍。この年は2勝を挙げ、グラハム・ヒルジャッキー・スチュワートと最後までチャンピオンを争ったが、最終2戦の連続リタイヤもあってシリーズ3位となり、2年連続のチャンピオン獲得はならなかった。

1969年にも最終戦メキシコGPで勝利を挙げるが、この年は5戦連続ノーポイントなども響き、ランキングは6位と低迷。翌1970年は逆に安定した成績でシリーズ4位となるが、4年ぶりに未勝利に終わり、さらにはブルースが事故死するアクシデントにも見舞われた。彼の死後も残留したが、71年は安定性・速さ共に欠き、勝利どころか表彰台も無しに終わった。

しかし1972年には第2戦南アフリカGPで優勝し、チームに初勝利をもたらす。終盤の連続表彰台などもあり、最終的にはシリーズ3位の成績を収めた。1973年には第3戦南アフリカGPで生涯唯一のポールポジションを獲得し、第7戦スウェーデンGPでは優勝。最後のシーズンとなった1974年も開幕戦のアルゼンチンGPで優勝し、引退まで創生期のマクラーレンチームを支えた。

急死

F1を引退した後も、ハルムはツーリングカーやGTレースなど、精力的にレース活動を続けていたが、1992年10月4日、オーストラリアで行われたバサースト1000のレース中、心臓発作を起こし急死。56歳だった。

この際、「体の異変を察知したハルムが、後続の危険を回避すべく、最期にマシンをコースの脇に止めた」というエピソードが残されている。スローダウンしコース脇にストップしたマシンから、いつまで経ってもドライバーが出て来ないことを不審に思ったマーシャルが、近づきマシンのドアを開けて見ると、シートベルトを締めたまま死亡していたという。

エピソード

厳つい見た目から「ザ・ベア(クマ)」と呼ばれていた。

レース戦績

F1

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 WDC ポイント
1965年 ブラバム BT7 クライマックス FWMV 1.5 V8 RSA MON
8
BEL GBR
Ret
GER
Ret
11位 5
BT11 FRA
4
NED
5
ITA
Ret
USA MEX
1966年 BT22 クライマックス FPF 2.8 L4 MON
Ret
BEL
Ret
4位 18
BT20 レプコ 620 3.0 V8 FRA
3
GBR
2
NED
Ret
GER
Ret
ITA
3
USA
Ret
MEX
3
1967年 RSA
4
MON
1
NED
3
1位 51
BT19 BEL
Ret
BT24 レプコ 740 3.0 V8 FRA
2
GBR
2
GER
1
CAN
2
ITA
Ret
USA
3
MEX
3
1968年 マクラーレン M5A BRM P101 3.0 V12 RSA
5
3位 33
M7A フォード・コスワース DFV 3.0 V8 ESP
2
MON
5
BEL
Ret
NED
Ret
FRA
5
GBR
4
GER
7
ITA
1
CAN
1
USA
Ret
MEX
Ret
1969年 RSA
3
ESP
4
MON
6
NED
4
FRA
8
GBR
Ret
GER
Ret
ITA
7
CAN
Ret
USA
Ret
MEX
1
6位 20
1970年 M14A RSA
2
ESP
Ret
MON
4
BEL NED FRA
4
GBR
3
GER
3
AUT
Ret
ITA
4
CAN
Ret
USA
7
MEX
3
4位 27
1971年 M19A RSA
6
ESP
5
MON
4
NED
12
FRA
Ret
GBR
Ret
GER
Ret
AUT
Ret
ITA CAN
4
USA
Ret
13位 9
1972年 ARG
2
RSA
1
ESP
Ret
3位 39
M19C MON
15
BEL
3
FRA
7
GBR
5
GER
Ret
AUT
2
ITA
3
CAN
3
USA
3
1973年 ARG
5
BRA
3
6位 26
M23 RSA
5
ESP
6
BEL
7
MON
6
SWE
1
FRA
8
GBR
3
NED
Ret
GER
12
AUT
8
ITA
15
CAN
12
USA
4
1974年 テキサコマクラーレン ARG
1
BRA
12
RSA
9
ESP
6
BEL
6
MON
Ret
SWE
Ret
NED
Ret
FRA
6
GBR
7
GER
DSQ
AUT
2
ITA
6
CAN
6
USA
Ret
7位 20

タスマンシリーズ

車両 1 2 3 4 5 6 7 8 ランク ポイント
1964年 ブラバム・BT3 LEV
1
PUK
2
WIG
3
TER
Ret
SAN
5
WAR
5
LAK
9
LON 3位 23
1967年 ブラバム・BT22 PUK
Ret
WIG
3
LAK
4
WAR
Ret
SAN
Ret
LON
Ret
8位 7
1968年 ブラバム・BT23 PUK LEV WIG
3
TER
6
SUR
6
WAR
5
SAN
9
LON
DNS
7位 8

インディアナポリス500

車両 スタート クオール ランク フィニッシュ 周回数 ラップリーダー リタイア
1967年 69 24 163.376 20 4 197 0 チェッカー
1968年 42 20 164.189 19 4 200 0 完走
1969年 42 25 165.092 25 18 145 0 クラッチ
1971年 85 4 174.910 4 17 137 0 バルブ
合計 679 0
スタート 4
ポール 0
フロントロー 0
勝利 0
トップ5 2
トップ10 2
リタイア 2

ル・マン24時間レース

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 総合
順位
クラス
順位
1961年 イタリアの旗 アバルト&シー ニュージーランドの旗 アンガス・ハイスロップ フィアット-アバルト850 S S850 263 14位 1位
1966年 アメリカ合衆国の旗 シェルビー・アメリカン Inc. イギリスの旗 ケン・マイルズ フォード・GT40 Mk.II P+5.0 360 2位 2位
1967年 アメリカ合衆国の旗 ホールマン&ムーディ アメリカ合衆国の旗 ロイド・ルビー フォード・GT40 Mk.IV 86 DNF DNF

デイトナ24時間レース

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 総合
順位
クラス
順位
1966年 イギリスの旗 バーナード・ホワイト・レーシング イギリスの旗 ヴィクター・ウィルソン フェラーリ・250 LM P+2.0 53 DNF DNF
1967年 アメリカ合衆国の旗 フォード・モーター・カンパニー (ホールマン&ムーディ) アメリカ合衆国の旗 ロイド・ルビー フォード・GT40 Mk.IV 299 DNF DNF

バサースト1000

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 総合
順位
クラス
順位
1982年 イギリスの旗 JPS・チーム・BMW オーストラリアの旗 ステファン・ブルック BMW・635 CSi A 41 DNF DNF
1984年 ドイツの旗 レオポルド・プリンツ・フォン・バイエルン Group A 148 15位 2位
1985年 ニュージーランドの旗 オークランド・コイン&ブリオン・エクスチェンジ ニュージーランドの旗 レイ・スミス ホールデン・VK コモドア C 146 DNF DNF
1986年 オーストラリアの旗 ボブ・ジェーン・T-マーツ オーストリアの旗 フランツ・クラマー メルセデス・ベンツ 190E B 157 9位 2位
1987年 オーストラリアの旗 パーキンス・エンジニアリング オーストラリアの旗 ラリー・パーキンス ホールデン・VK コモドア SS Group A 1 2 DNF DNF
1988年 オーストラリアの旗 ホールデン・スペシャル・ヴィークルス オーストラリアの旗 ラリー・パーキンス
イギリスの旗 トム・ウォーキンショー
ホールデン・VK コモドア SS Group A SV A 137 DNF DNF
1989年 オーストラリアの旗 ベンソン&ヘッジス・レーシング オーストラリアの旗 アラン・ジョーンズ
オーストラリアの旗 トニー・ロングハースト
フォード・シエラ RS500 158 5位 5位
1990年 オーストラリアの旗 アラン・ジョーンズ 65 DNF DNF
1991年 オーストラリアの旗 ピーター・フィッツジェラルド BMW・M3 Evolution 2 157 4位 1位
1992年 オーストラリアの旗 ポール・モリス 32 DNF DNF

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、デニス・ハルムに関連するメディアがあります。
タイトル
先代
ジャック・ブラバム
F1ドライバーズチャンピオン
1967年
次代
グラハム・ヒル
先代
ブルース・マクラーレン
Can-Amチャンピオン
1968年
次代
ブルース・マクラーレン
先代
ブルース・マクラーレン
Can-Amチャンピオン
1970年
次代
ピーター・レブソン
イギリスの旗 ブラバム
創設者
主なチーム関係者
主なドライバー
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
太字はブラバムにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。
F1車両 (世界選手権)
F1車両 (タスマンシリーズ)
主なスポンサー
  • F1以外の車両
F5000
  • BT43(英語版)
F2
F3
  • BT9
  • BT15(英語版)
  • BT16A
  • BT18A
  • BT21(英語版)
  • BT21B(英語版)
  • BT21X(英語版)
  • BT28
  • BT35C
  • BT38C
  • BT41
インディカー
  • BT12(英語版)
  • BT25(英語版)
  • BT32(英語版)
フォーミュラ・アトランティック
  • フォーミュラ・B: BT21A(英語版)
  • BT21C(英語版)
  • BT23F
  • BT23G
  • BT29 / フォーミュラ・アトランティック: BT35A
  • BT35B
  • BT38B
  • BT40
フォーミュラ・ジュニア
  • BT1
  • BT2(英語版)
  • BT6
ヒルクライム用シングルシーター
  • BT30X(英語版)
  • BT35X
  • BT36X(英語版)
その他のシングルシーター
  • BT14(英語版)
  • BT18B
レーシングスポーツカー
  • BT5(英語版)
  • BT8(英語版)
  • BT17(英語版)
  • BT63 GT2(英語版)
ツーリングカーレース用
  • BT57 (アルファロメオ・164 プロカー4)
サーキット走行専用車
  • BT62(英語版)
イギリスの旗 マクラーレンF1チーム
チーム首脳
主なチームスタッフ
  • イギリスの旗 ピーター・プロドロモウ (テクニカルディレクター{空力})
  • イギリスの旗 ロブ・マーシャル(英語版)
  • イギリスの旗 ニール・ホールディ(スウェーデン語版)
  • イギリスの旗 ピアーズ・シン (エグゼクティブディレクター・オペレーション)
  • イギリスの旗 ニール・オートレイ (デザイン開発部門責任者)
  • 日本の旗 今井弘 (ディレクター・レースエンジニアリング)
現在のドライバー
F1車両
1966年 -
1980年
1981年 -
2016年
2017年 -
現在のPUサプライヤー
現在のスポンサー
  • ※役職等は2024年3月時点。
  • 過去のチーム関係者
主な関係者
創設者
チーム首脳
主なスタッフ
主なF1ドライバー
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
※年代と順序はマクラーレンで初出走した時期に基づく。 ※マクラーレンにおいて優勝したドライバーを中心に記載。太字はマクラーレンにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。斜体はマクラーレンにおいて優勝がないものの特筆されるドライバー。
  • F1以外のレース車両
Can-Am
  • M1A(英語版) (B, C)
  • M6A(英語版)
  • M8A(英語版) (B, C, D, F)
  • M12(英語版)
  • M20(英語版)
F2
  • M2A(英語版)
  • M4A(英語版)
F5000
  • M3A(英語版)
  • M10(英語版)
  • M18(英語版)
  • M22(英語版)
  • M25(英語版)
USAC/CART
  • M15(英語版)
  • M16(英語版) (A, B, C, C/D, D, E)
  • M24(英語版)
GT
  • ※レース用車両 / サーキット走行専用車。
  • 過去のF1関連組織
タイトルスポンサー
エンジンサプライヤー
   
1960年代
1970年代
1980年代
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