バリュー・アット・リスク

バリュー・アット・リスク(Value at Risk、 VaR)とは、リスク分析の手法の一つ。現有資産の損失可能性を時価推移より測定する分析指標。金融検査マニュアルの検査事項の一つである「リスク分析手法の確立」に例示されたものの一つでもある。

定義

バリュー・アット・リスク(VaR)の説明

バリュー・アット・リスクは、ある期間 T {\displaystyle T} における資産価値の損失リスクを推定した値で、統計上の信頼水準 X % {\displaystyle X\%} において推定される最大損失 Y {\displaystyle Y} のことである(図参照)[1]

数学的には、

P ( {\displaystyle P(} 最大損失 ≧ VaR ) = 1 X {\displaystyle )=1-X} と表される。これは、最大損失 が VaR 以上となる確率が ( 1 X ) {\displaystyle (1-X)} となることを意味する。

ある資産が、期間 T {\displaystyle T} = 100日について信頼水準 X {\displaystyle X} = 99% で VaR が5億円であるとは、

  • 100日間にわたり、評価損は 99%の確率で最大5億円におさまる。
  • ただし、100% - 99% = 1%の確率で5億円以上の損失となる。

注意事項

  • 損失がVaRを超える場合、超過損失がどのくらいになるのかについてVaRは何も言及しない。分布の裾が厚い場合には超過損失が大きくなりやすく、このような場合の超過損失の平均は期待ショートフォールとして計算される。

脚注

  1. ^ An introduction to value-at-risk, Moorad Choudhry, Ketul Tanna, John Wiley and Sons, 2006, pp30-32

関連項目

外部リンク

典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
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