パッシングショット

パッシングショット
欧字表記 Passing Shot[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1985年4月26日[1]
死没 1991年5月14日(6歳没)[2][3]
トウショウボーイ[1]
タカヨシピット[1]
母の父 ネヴァービート[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 浦河小林牧場[1]
馬主 森本忠治[1]
調教師 橋田満栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀5歳以上牝馬(1990年)[1]
生涯成績 27戦5勝[1]
獲得賞金 2億7345万9400円[1][2]
勝ち鞍
GI マイルチャンピオンシップ 1990年
GII CBC賞 1990年
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パッシングショットPassing Shot)とは

  1. 日本で生産・調教された競走馬。主な勝ち鞍に1990年マイルチャンピオンシップおよびCBC賞。1990年度のJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出された。本項にて記述[1]
  2. アメリカ合衆国の競走馬。父エーピーインディ。主な勝ち鞍にパーソナルエンスンハンデキャップ2003年)など。[4]

経歴

1987年11月末に中京競馬場ダート新馬戦でデビューし、2番人気の2着。2走目の芝の新馬戦を使われ1番人気に応え初勝利を挙げる。年が明け、条件戦を中心に使われたが2着3回など勝ちきれない競馬が続いたが11月に2着に7馬身差をつけて2勝目をあげ[5]、連闘でエリザベス女王杯に挑戦もミヤマポピーから大きく離された9着に終わるが、自己条件に戻った次走は1番人気に応え4馬身差で勝利を挙げた[5]。翌年初戦の京都牝馬特別はリキアイノーザンの2着、続くマイラーズカップ2着[5]京王杯スプリングカップ3着[5]を経て、短距離路線春の大一番安田記念バンブーメモリーの6着に終わり、その後はトパーズステークス2着はあったものの、相変わらず勝ちきれない成績で1989年のシーズンを終えた。ここまで勝ち味が遅かったものの、素質自体は早くから評価されていた[2]。またマイラーズカップ2着は重馬場を克服してのものであり、馬場も問わない面も見せていた[5]

1990年は、掲示板には載るものの勝ちきれない競馬が続いていたが6月のCBC賞で好位から伸びてバンブーメモリーを4分の3馬身凌ぎきり、約1年半ぶりの勝利を重賞で挙げた[5]。続く高松宮杯は10着に敗れ、秋初戦のスワンステークスは逃げたナルシスノワールをとらえきれず2着に終わるものの[5]、秋のマイル王決定戦マイルチャンピオンシップは圧倒的人気のバンブーメモリーをCBC賞で破っている実績を有しているにもかかわらず10番人気という低評価だったが、レースではスタートで出遅れながらも直線でそれを挽回する末脚を繰り出し、最後はバンブーメモリーを差し切って初のGI優勝を果たした[2][5][6]。鞍上の楠孝志調教師の橋田は共に初のGI優勝だった。スプリンターズステークスではバンブーメモリーとともに単枠指定され、小差の2番人気で迎えた[6][7]。しかし、当日はパドック周回の段階で落ち着きがなく、ゲートイン直前には放馬、そしてスタートで再び大きく出遅れ、前半3ハロン32秒4というハイペースのレースでバンブーメモリーが当時の日本レコードで快勝した後方で8着に終わった[6][2][8]

引退後は故郷の浦河小林牧場で繁殖牝馬となったが、初年度の相手に選ばれたニッポーテイオーとの種付け準備中に転倒してしまい、頭蓋骨骨折して死亡した。遺骸は日高郡新ひだか町桜舞馬公園に埋葬されている[2]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[9]およびJBISサーチ[8]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ(人気) 着順 タイム
(上り3F/4F
着差 騎手 斤量
(kg)
勝ち馬/(2着馬)
1987.11.29 中京 3歳新馬 ダ1000m(良) 12 8 12 03.4(2人) 2着 1:01.6 (38.3) -0.4 南井克巳 53 スリーリバティー
0000.12.13 中京 3歳新馬 芝1400m(良) 9 7 7 01.6(1人) 1着 1:11.1 (36.4) -0.3 楠孝志 53 (ウメノチャンプ)
1988.02.20 京都 4歳400万下 ダ1800m(良) 9 5 5 13.5(7人) 5着 1:57.2 (54.1) -2.7 南井克巳 53 マイネレーベン
0000.03.05 阪神 初雛賞 400 芝1600m(良) 13 2 2 07.5(3人) 2着 1:36.9 (48.9) -0.2 南井克巳 55 アラホウトク
0000.09.03 函館 4歳上400万下 芝1200m(重) 14 5 7 03.5(1人) 2着 1:11.2 (36.7) -0.0 田原成貴 53 コミニュケーション
0000.09.17 函館 横津岳特別 400 芝1800m(良) 7 6 6 02.6(1人) 2着 1:50.4 (36.9) -0.1 田原成貴 53 サンデーホスト
0000.10.16 京都 堀川特別 400 芝1600m(良) 16 7 13 06.3(5人) 3着 1:36.4 (49.0) -0.2 楠孝志 53 ホシブレスト
0000.11.06 京都 逢坂山特別 400 芝1600m(良) 18 5 9 03.4(1人) 1着 1:35.8 (47.5) -1.1 南井克巳 53 (マルイチテイオー)
0000.11.13 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2400m(良) 18 8 16 20.7(7人) 9着 2:28.6 (50.2) -1.4 松本達也 55 ミヤマポピー
0000.12.04 阪神 ゴールデンサドルT 900 芝1600m(良) 12 1 1 02.2(2人) 1着 1:34.7 (47.0) -0.7 柴田政人 54 (センターシュア)
1989.01.29 京都 京都牝馬特別 GIII 芝1600m(稍) 11 6 6 03.1(2人) 2着 1:35.6 (46.9) -0.1 南井克巳 52 リキアイノーザン
0000.02.26 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(重) 11 1 1 07.7(4人) 2着 1:36.4 (48.1) -0.1 南井克巳 54 ミスティックスター
0000.04.23 東京 京王杯スプリングC GII 芝1400m(稍) 17 4 7 06.3(3人) 3着 1:23.3 (47.9) -0.2 南井克巳 54 リンドホシ
0000.05.14 東京 安田記念 GI 芝1600m(稍) 17 1 2 14.0(8人) 6着 1:35.3 (49.1) -1.0 楠孝志 55 バンブーメモリー
0000.11.05 東京 根岸S GIII ダ1400m(良) 14 6 9 15.2(8人) 13着 1:26.0 (50.7) -2.2 楠孝志 54 ダイナレター
0000.11.26 京都 トパーズS OP 芝2000m(良) 10 4 4 11.1(5人) 2着 2:01.0 (46.9) -0.2 楠孝志 55 マロングラッセ
0000.12.24 阪神 阪神牝馬特別 GIII 芝2000m(稍) 16 5 9 07.0(2人) 12着 2:03.5 (48.8) -1.8 楠孝志 54 ルイジアナピット
1990.01.07 京都 洛陽S OP 芝1600m(良) 15 7 12 03.5(1人) 2着 1:35.2 (47.8) -0.5 南井克巳 54 スカイジャイアント
0000.01.28 阪神 京都牝馬特別 GIII 芝1600m(良) 14 4 6 06.5(3人) 4着 1:34.5 (46.0) -0.2 楠孝志 55 リキアイノーザン
0000.02.17 阪神 ポートアイランドS 1500 芝1600m(稍) 14 6 9 04.0(2人) 3着 1:36.0 (48.9) -0.4 南井克巳 55 ヤグラステラ
0000.05.05 京都 シルクロードS OP 芝1200m(不) 16 4 8 06.2(3人) 2着 1:11.1 (47.3) -0.2 南井克巳 54 エーコーシーザー
0000.06.03 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 18 3 6 07.2(3人) 5着 1:22.6 (48.1) -0.3 須貝尚介 53 センリョウヤクシャ
0000.06.24 中京 CBC賞 GII 芝1200m(良) 16 6 11 11.3(6人) 1着 1:08.3 (34.4) -0.1 楠孝志 55 (バンブーメモリー)
0000.07.08 中京 高松宮杯 GII 芝2000m(良) 14 7 11 24.5(8人) 10着 2:00.9 (36.8) -1.5 楠孝志 55 バンブーメモリー
0000.10.28 京都 スワンS GII 芝1400m(良) 16 4 8 13.8(8人) 2着 1:21.5 (46.2) -0.1 楠孝志 56 ナルシスノワール
0000.11.18 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 4 7 22.7(10人) 1着 1:33.6 (45.2) -0.2 楠孝志 55 (バンブーメモリー)
0000.12.16 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 5 8 03.9(2人) 8着 1:08.6 (33.6) -0.8 楠孝志 55 バンブーメモリー
  • 枠番・馬番の太字は単枠指定を示す。内容は日本中央競馬会『中央競馬全重賞競走成績』GI編[7]に基づく。

血統表

パッシングショット血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 テスコボーイ系
[§ 2]

トウショウボーイ
1973 鹿毛
父の父
*テスコボーイ
Tesco Boy
1963 黒鹿毛
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
父の母
*ソシアルバターフライ
Social Butterfly
1957 鹿毛
Your Host Alibhai
Boudoir
Wisteria Easton
Blue Cyprus

タカヨシピット
1972 栃栗毛
*ネヴァービート
Never Beat
1960 栃栗毛
Never Say Die Nasrullah
Singing Grass
Bride Elect Big Game
Netherton Maid
母の母
ファーストウェイ
1967 鹿毛
*ボウプリンス Prince Chevalier
Isabelle Brand
スーパーボンド *ライジングフレーム
トミカツラ
母系(F-No.) シルバーバツトン(GB)系(FN:4-g) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah4×4=12.50% Nearco5×5×5=9.38% Hyperion4×5=9.38%(父内) [§ 4]
出典
  1. ^ [10]
  2. ^ [11]
  3. ^ [10]
  4. ^ [10][11]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “パッシングショット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h “パッシングショット”. 競走馬のふるさと案内所. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月23日閲覧。
  3. ^ 優駿1991年7月号P.103
  4. ^ “パーソナルエンスンH開催”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2003年8月25日). 2019年10月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h “パッシングショット 低評価を跳ね返す鮮やかな直線一気 1990年”. マイルチャンピオンシップ 歴代優勝馬ピックアップ. JRA-VAN. 2020年3月7日閲覧。
  6. ^ a b c “齋藤俊介「【名馬列伝】ワールドクラスの強さ見せたバンブーメモリー/90年スプリンターズS」”. uma-jin.net. Neo Sports Co., Ltd. (2011年9月27日). 2020年3月7日閲覧。
  7. ^ a b #中央競馬GI p. 1003
  8. ^ a b “パッシングショット 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月23日閲覧。
  9. ^ “パッシングショットの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月23日閲覧。
  10. ^ a b c “パッシングショット 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月23日閲覧。
  11. ^ a b “パッシングショットの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月23日閲覧。
  12. ^ “スナークアロー 血統情報:牝系情報”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月23日閲覧。

参考文献

  • 『中央競馬全重賞競走成績集 GI編』日本中央競馬会、1996年。 

外部リンク

(旧)最優秀5歳以上牝馬
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
  • 00 ファレノプシス
最優秀4歳以上牝馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
   

国際競走指定前:
01回(1984年) ニホンピロウイナー
02回(1985年) ニホンピロウイナー
03回(1986年) タカラスチール
04回(1987年) ニッポーテイオー
05回(1988年) サッカーボーイ
06回(1989年) オグリキャップ
07回(1990年) パッシングショット
08回(1991年) ダイタクヘリオス
09回(1992年) ダイタクヘリオス
第10回(1993年) シンコウラブリイ
第11回(1994年) ノースフライト
第12回(1995年) トロットサンダー
第13回(1996年) ジェニュイン
第14回(1997年) タイキシャトル

国際競走指定後:
第15回(1998年) 日本の旗 タイキシャトル
第16回(1999年) 日本の旗 エアジハード
第17回(2000年) 日本の旗 アグネスデジタル
第18回(2001年) 日本の旗 ゼンノエルシド
第19回(2002年) 日本の旗 トウカイポイント
第20回(2003年) 日本の旗 デュランダル

国際G1昇格後:
第21回(2004年) 日本の旗 デュランダル
第22回(2005年) 日本の旗 ハットトリック
第23回(2006年) 日本の旗 ダイワメジャー
第24回(2007年) 日本の旗 ダイワメジャー
第25回(2008年) 日本の旗 ブルーメンブラット
第26回(2009年) 日本の旗 カンパニー

第27回(2010年) 日本の旗 エーシンフォワード
第28回(2011年) 日本の旗 エイシンアポロン
第29回(2012年) 日本の旗 サダムパテック
第30回(2013年) 日本の旗 トーセンラー
第31回(2014年) 日本の旗 ダノンシャーク
第32回(2015年) 日本の旗 モーリス
第33回(2016年) 日本の旗 ミッキーアイル
第34回(2017年) 日本の旗 ペルシアンナイト
第35回(2018年) 日本の旗 ステルヴィオ
第36回(2019年) 日本の旗 インディチャンプ
第37回(2020年) 日本の旗 グランアレグリア
第38回(2021年) 日本の旗 グランアレグリア
第39回(2022年) 日本の旗 セリフォス
第40回(2023年) 日本の旗 ナミュール