ヤマハ・XT1200Zスーパーテネレ

2010年南アフリカ仕様[1]
First Edition
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
エンジン 1,199 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ並列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 98.0 mm × 79.5 mm / 11.0:1
最高出力 80.9 kW (110 PS) / 7,250 rpm
最大トルク 114.1 N·m (11.6 kgf·m) / 6,000 rpm
車両重量 (特別装備を含まない状態)261 kg
      詳細情報
製造国
製造期間 2010年-
タイプ デュアルパーパス
設計統括
デザイン
フレーム バックボーン
全長×全幅×全高 2,255 mm × 980 mm × 1,410 mm
ホイールベース 1,540 mm
最低地上高 205 mm
シート高 845、870 mm
燃料供給装置 燃料噴射装置
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ドライサンプ
駆動方式 シャフトドライブ
変速機 常時噛合式6段リターン
サスペンション ⌀43 倒立テレスコピック式
スイングアーム式
キャスター / トレール 28.0° / 126 mm
ブレーキ ⌀310 油圧式ダブルディスク
⌀282 油圧式シングルディスク
タイヤサイズ 110/80 R19M/C(59V)
150/70 R17M/C(69V)
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 23 L
燃費
カラーバリエーション ビビットパープリッシュブルーカクテル5
シルバー3
本体価格 1,606,500円(税込)
備考
先代 ヤマハ・TDM
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車 ホンダ・XL1000バラデロ
スズキ・ブイストーム1000(英語版)
BMW・R1200GS(英語版)
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XT1200Z Super Ténéré(エックスティーせんにひゃくゼットスーパーテネレ)とは、2010年ヤマハ発動機が海外向けに発売した、1200 cc4ストロークエンジンを搭載した大型自動二輪車である。

概要

公開されるXT1200Z Super Ténéré

世界一過酷なモータースポーツとも称されるパリ・ダカールラリー第1回ダカール・ラリー(英語版)、および第2回ダカール・ラリー(英語版)で総合優勝を果たしたXT500にルーツを持つ本車両は、そのラリーの舞台であるサハラ砂漠テネレの名を冠するように、アスファルトの道路を走行するだけではない、行く先々の過酷な気象条件や起伏の激しい路面状態に対応できる高い走破性能を発揮するオートバイとして、「Ultimate Gear for Intercontinental Adventure」というコンセプトの基に開発が行われた[2]。 ロングライドをこなすための居住性能、大型車両であっても山道林道を走破できる軽快なフットワーク、全ての道を走れる走行性能を得るためにさまざまな技術、装備が投入され、状況や搭乗者の好みに応じた幅広い調整範囲や搭乗者補助機能を実現した[2]

車両解説

直列2気筒1200 ccのエンジンは慣性トルクの影響を最小とする270度クランクを採用し、燃焼時間を速めるツインプラグ方式やワイドレシオのトランスミッションが組み合わされ、全域にわたってトルクフルで扱いやすいよう設計がなされた[2]。潤滑方式にはオイルタンクを別体とするドライサンプ方式を採用しつつ、レイアウトの検討を重ねた結果、ミッション軸下側にオイルタンクを設ける設計とし、配管の省略やコンパクト化と低重心の両立に成功した[2]。排気系統は操作性を損なわないようマスを集中させる楕円形のショートマフラーとしつつもハニカム触媒を配置し、残留酸素濃度を検知し燃料噴射をリアルタイムで補正するフィードバック制御と相まって優れた環境性能を達成している[2]

高い耐久性・メンテナンス性を実現するため、駆動伝達はシャフトドライブ方式とし、これにはヤマハ製二輪車として初のピニオンギア軸とリングギア軸をオフセットするハイポイドギア方式が採用された[2]。同様の理由によりエンジン、フレームレイアウトはエアクリーナーボックスからスロットルボディ、シリンダーヘッドまでを外部からアクセスしやすいように直線的に配置され、同時に車体をスリムにするためにラジエーターは車体左側面、右側面にはバッテリーなどの電装関係を集中して配置し、レイアウトによる足つき性の向上なども考慮された[2]

足回りには、積荷や速度レンジ、路面状況に応じて伸び・縮み減衰力やプリロードを調整できる⌀43 mmのフルアジャスタブル倒立フォークに、イニシャルと伸び側減衰力が調整可能なリンク式モノクロスサスペンションを介して支持される金型低圧鋳造によるアルミ製リヤアーム[2]。搭乗者を補助する機能としてYZR-M1で培われた、路面μの低い未舗装路での突然のスリップダウンを抑制するトラクションコントロールシステムを状況に応じて3段階から選択できるほか、スロットルバルブ特性は限界性能を引き出すものと巡航に適した設定がなされたものと選択することが可能で、アンチロックブレーキシステムやリアブレーキ単体では作動しない前後連動ブレーキシステム[注釈 1]といった補助機能も搭載された[2]

遍歴

2011年東京モーターショーに出品されたワールドクロッサーのコンセプトモデル

2010年仕様

日本ではプレストコーポレーションが4月27日FZ8と同時に国内での逆輸入車の取り扱い決定を発表[3]5月13日に販売価格などの情報が公表され[4]、First Editionとしてサイドケース、スキップガード、専用エンブレムを与えられた特別仕様車が以下のカラーバリエーションで発売された[5]。なお、価格は通常仕様と異なり1,680,000円(税込)

  • ビビットパープリッシュブルーカクテル5
  • シルバー3

2011年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[6]

  • ビビットパープリッシュブルーカクテル5
  • シルバー3
  • ブラックメタリックX
  • ブルーイッシュホワイトカクテル1


2013年仕様

車体各所にバンパーなどの装備が追加された特別仕様車、ワールドクロッサーが発売されるとともに[7]、カラーバリエーションが以下のように改められた[8][注釈 2]

  • ヤマハブルー
  • マットグレー
  • コンペティションホワイト

ギャラリー

  • フロントマスク
    フロントマスク
  • エキゾーストパイプ
    エキゾーストパイプ
  • 前方より
    前方より
  • 左後方より
    左後方より
  • リヤサスペンション
    リヤサスペンション
  • サイレンサー
    サイレンサー
  • 着座視点
    着座視点
  • リアビュー
    リアビュー
  • メーターパネル
    メーターパネル
  • 右後方より
    右後方より

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ オフロード走行時には、起立した状態でリアブレーキを用いた姿勢制御を行う状況が多いため。
  2. ^ ワールドクロッサーの車体色はヤマハブルーのみ。

出典

  1. ^ “Yamaha-Motor.EU XT1200ZSuperTenere Techspecs”. 2012年11月22日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i “XT1200Z Super Ténéré”. 2012年11月23日閲覧。
  3. ^ “XT1200Z Super Tenere、FZ8シリーズの取り扱いが決定しました!”. 2011年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月23日閲覧。
  4. ^ “XT1200Z Super Tenere、FZ8シリーズの発売時期と価格について”. 2011年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月23日閲覧。
  5. ^ “2010年XT1200Z SuperTenereフォトギャラリー”. 2012年11月22日閲覧。
  6. ^ “2011フォトギャラリー”. 2012年11月22日閲覧。
  7. ^ “Yamaha Motor Europe Super Ténéré Worldcrosser”. 2013年1月4日閲覧。
  8. ^ “Yamaha Motor Europe Super Ténéré”. 2012年11月22日閲覧。

関連項目

外部リンク

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