レニー・クラヴィッツ

レニー・クラヴィッツ
フランス・ジュアン=レ=パン公演(2018年)
基本情報
出生名 レオナード・アルバート・クラヴィッツ
生誕
ジャンル
職業
担当楽器
活動期間 1989年 -
レーベル
配偶者 リサ・ボネット(1987年 - 1993年)
著名な家族 ゾーイ・クラヴィッツ(娘)
公式サイト www.lennykravitz.com
著名使用楽器

レオナード・アルバート・クラヴィッツLeonard Albert Kravitz1964年5月26日 - )は、アメリカ合衆国出身のシンガーソングライターミュージシャン俳優

特定の音楽ジャンルにこだわらないマルチプレイヤーで[2]、同国を代表する世界的なギタリストの一人。デビュー当時彼を紹介する時「黒いジョン・レノン」というキャッチコピーがよく使われた。代表曲に「イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー」「自由への疾走」「フライ・アウェイ」など。

来歴

1964年、ニューヨークに生まれる。父親は東欧系ユダヤ人の血を引くNBCテレビのプロデューサー、母親はマイアミ出身バハマ系で、後に女優となるロキシー・ローカー (Roxie Roker)。

1974年に母親の仕事の都合で一家はロサンゼルスに移住、その後ビバリーヒルズ高校 (Beverly Hills High School) に入学する(同窓生にはスラッシュやマリア・マッキー、そして俳優のニコラス・ケイジがいた)。当時からすでに音楽的才能を発揮していたレニーは、やがてセッションミュージシャンを志すようになり、高校を中退。その後はセッション・ミュージシャンをこなす傍ら、自身のデモテープを制作してレコード会社へ売り込む生活を続けていた。

1989年にアルバム『レット・ラヴ・ルール』でヴァージン・レコードからデビューを果たす。その後、マドンナとの共作「ジャスティファイ・マイ・ラヴ」のプロデュースで注目を集め、1991年に発表した2枚目のアルバム『ママ・セッド』のヒットによってブレイクした。

1992年にはヴァネッサ・パラディのサード・アルバム『ビー・マイ・ベイビー』をプロデュースした。パラディとは交際の噂も立った。

1998年、アルバム『5』を発表。クラヴィッツは同アルバムの収録曲「フライ・アウェイ」でグラミー賞最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞し、初のグラミー賞受賞を果たした[3]

2009年、映画『プレシャス』に出演して本格的に俳優デビューを果たす。その演技が評価されて、NAACPイメージ・アワードおよびブラック・リール賞(英語版)で助演男優賞にノミネートされた[4]

その後、クラヴィッツはロードランナー・レコードアトランティック・レコードに移籍して[5]、2011年8月に移籍第一弾のアルバム『ブラック・アンド・ホワイト・アメリカ』を発表した。しかし、ロードランナー/アトランティックとの契約はアルバム1枚で終了し、2014年には自身のレーベル「ロキシー・レコーズ」からの第1弾アルバム『ストラット』を発表した[6]。同年、ケイティ・ペリーのスーパーボウル・ハーフタイムショーにゲスト出演。

2024年3月12日、ハリウッドの殿堂入りを果たした[7]

音楽性

サングラスを外した素顔(2012年)

幼い頃から音楽好きの両親の下で、音楽に親しむ生活を送ってきた。少年時代に好きだったミュージシャンは、カーティス・メイフィールドジェームス・ブラウンジョン・レノンレッド・ツェッペリンジミ・ヘンドリックスジャクソン5など。

マルチプレイヤーであり、レコーディングにおいて自ら全ての楽器を演奏することもある(「ロックンロール・イズ・デッド」など)。近年の作品では長年のパートナーであるクレイグ・ロスがリードギターを録るケースが多い。多くの楽曲においてリズムギター/ベース/ドラム/コーラスワークに関してはキャリア初期から一貫して本人による録音である。

使用機材

アナログ機材の愛好者である。ヴィンテージに関してはコレクターといえる質と量の機材を所有しており、ステージでも使用することがある。所有ギターはフライングVレスポールのようなギブソン社製のものが中心。

1960〜1970年代の音楽への愛着を強く打ち出していた初期は、楽器、コンソール、テープに至るまで全てアナログ機材を使用してのレコーディングという、当時の流行とは逆行するような拘りを見せていたが、アルバムを発表していくに連れ、次第にPro Toolsを中心としたPCでの編集作業にも力を入れ始めた。現在では、豊富なヴィンテージ機材をデジタルで録音し、編集する折衷したレコーディング形態へと移行している。

人物

ゾーイ・クラヴィッツとのショット(2010年)
  • 2008年4月1日にヴェルヴェット・リヴォルヴァーを脱退したスコット・ウェイランド(ストーン・テンプル・パイロッツのボーカル)に替わり、新ボーカリストの候補に挙がっていたが、「メンバーとは友好的な関係だが、加入は出来ない」と明確に否定している。
  • 2002年に「LENNY WORLD TOUR」、2008年に「LOVE REVOLUTION JAPAN TOUR」、2015年に「STRUT Japan Tour 2015[8]」 の一環で来日する予定だったが、いずれも体調不良で延期、中止になっている。
  • 映画俳優のデンゼル・ワシントンと親交があり、『ニューズウィーク』誌のインタビューで「お互いにがいるからね、親の目を盗んで娘が何をしてるかとか、そんな話ばかりしてる。まあ、兄貴のような存在だな」と語っている。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

フジテレビ系列で深夜に放送されていた音楽番組BEAT UK』では、UKシングルチャートNo.1を獲得

コンピレーション・アルバム

  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits (2000年)

フィルモグラフィ

日本公演

  • 1990年 GREENING OF THE WORLD CONCERT IN JAPAN JOHN LENNON 50TH BIRTHDAY
  • 1991年
  • 1993年
  • 1994年
  • 1995年
  • 1998年
  • 2012年

※2002年と2008年にも予定されていたが、どちらも中止となっている。

日本でのタイアップ

曲名 タイアップ 備考 時期
ビリーヴ 日産・ラルゴW30) CMソング 1993年
オール・アイ・エヴァー・ウォンテッド Levi's CMソング 1994年
モア・ザン・エニシング・イン・ディス・ワールド
自由への疾走 日本オラクル CMソング 1999年
TBS情報番組みのもんたの朝ズバッ!』オープニング曲 アイキャッチにも使用 2005年~2013年
日産・ウイングロードY12) CMソング 2006年~2007年
アサヒ飲料「ウィルキンソン タンサン」CMソング 2012年~現在
スズキ・アルトワークス CMソング 2015年
フライ・アウェイ ノエビア化粧品 CMソング 1999年
イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー フジテレビ系ドラマ『カバチタレ!』挿入歌 2001年
ディグ・イン マイクロソフトWindows XP CMソング
東宝配給映画『リターナー』主題歌 2002年
ロックンロール・イズ・デッド 日産・ウイングロードY11) CMソング 2001年
バトルフィールド・オブ・ラヴ 2002年
アイル・ビー・ウェイティング ワーナー・ブラザース配給映画『L change the WorLd』 主題歌 2008年
ルッキング・バック・オン・ラヴ 日本テレビ系ドラマ『QP』オープニング曲 2011年
Strut 2014年
Raise Vibration 2018年
Blue Electric Light 2024年

関連項目

  • デヴィッド・ボウイ - レニーはデビューした翌1990年に、ボウイの「サウンド・アンド・ヴィジョン・ツアー」のアメリカ公演で前座を務めた。1993年にボウイのアルバム 「郊外のブッダ」にレニーはギターで参加した。また、2004年のボウイの「リアリティ・ツアー」のニューヨーク公演に姿を現し、ステージ裏でボウイと一緒に写真を撮るなど、公私ともに親交が深い。
  • ミック・ジャガー - 『ワンダーリング・スピリット』(1993年)収録曲「ユーズ・ミー」に、レニーがヴォーカルで参加。また、『ゴッデス・イン・ザ・ドアウェイ』(2001年)収録曲「ゴッド・ゲイヴ・ミー・エヴリシング」はミックとレニーの共作で、レニーは演奏でも参加。
  • スラッシュ - ビバリーヒルズ高校時代の同級生。『ママ・セッド』にゲスト参加。
  • エアロスミス - 『ゲット・ア・グリップ』収録曲「ライン・アップ」は、スティーヴン・タイラージョー・ペリー、レニーの共作。
  • ロキシー・ローカー (Roxie Roker) - アメリカの女優。実母。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h Prato, Greg. Lenny Kravitz Biography, Songs, & Albums - オールミュージック. 2022年4月27日閲覧。
  2. ^ “『レイズ・ヴァイブレーション』レニー・クラヴィッツ(Album Review)”. billboard-japan (2018年9月11日). 2020年9月21日閲覧。
  3. ^ Lenny Kravitz | AllMusic - Awards
  4. ^ Lenny Kravitz - Awards - IMDb.com
  5. ^ Lenny Kravitz to Team Up With Roadrunner / Atlantic to Release 9th Studio Album
  6. ^ Graff, Gary (2014年9月22日). “Lenny Kravitz on His 'Grit'n'Glamour' - Filled New Album 'Strut' and Starting His Own Indie Label”. Billboard. 2017年11月8日閲覧。
  7. ^ “米歌手レニー・クラヴィッツ、ハリウッド殿堂入り”. AFPBB news (2024年3月13日). 2024年3月26日閲覧。
  8. ^ レニー・クラヴィッツ STRUT Japan Tour 2015 公演中止のお知らせ H.I.P レニー・クラヴィッツ 来日公演特設サイト 2015年2月27日付

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、レニー・クラヴィッツに関連するカテゴリがあります。
  • 公式ウェブサイト
  • ワーナーミュージック・ジャパン - レニー・クラヴィッツ
  • Lenny in French
  • Lenny Kravitz (@LennyKravitz) - X(旧Twitter)
  • レニー・クラヴィッツ - YouTubeチャンネル
  • レニー・クラヴィッツ - allcinema
  • Lenny Kravitz - IMDb(英語)
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レニー・クラヴィッツ
シングル

1.スピリット・オブ・ザ・ホワイト - 2.レット・ラヴ・ルール - 3.アイ・ビルド・ディス・ガーデン・フォー・アス - 4.ミスター・キャブ・ドライバー - 5.オールウェイズ・オン・ザ・ラン - 6.イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー - 7.フィールズ・オブ・ジョイ - 8.スタンド・バイ・マイ・ウーマン - 9.ホワット・ザ・ファック - 10.ストップ・ドラッギン・アラウンド - 11.ホワット・ゴウズ・アラウンド・カムズ・アラウンド - 12.自由への疾走 - 13.ビリーヴ - 14.悲しみの十字架 - 15.愛ある日々を - 16.悲しみの十字架 (re-issue) - 17.スピニング・アラウンド・オーヴァー・ユー - 18.ジュース - 19.ロックンロール・イズ・デッド - 20.サーカス - 21.遥かな面影 - 22.復活の日 - 23.アイ・ビロング・トゥ・ユー - 24.イフ・ユー・キャント・セイ・ノー - 25.シンキング・オブ・ユー - 26.フライ・アウェイ - 27.ブラック・ヴェルヴェティーン - 28.アメリカン・ウーマン - 29.アゲイン - 30.ディグ・イン - 31.スティルネス・オブ・ハート - 32.ビリーヴ・イン・ミー - 33.イフ・アイ・クッド・フォール・イン・ラヴ - 34.ショウ・ミー・ユア・ソウル - 35.ホエア・アー・ウィ・ランニン? - 36.カリフォルニア - 37.ストーム - 38.コーリング・オール・エンジェルズ - 39.レイディ - 40.ブリーズ - 41.ブリング・イット・オン - 42.アイル・ビー・ウェイティング - 43.ラヴ・ラヴ・ラヴ - 44.ダンシン・ティル・ドーン

アルバム
オリジナル

1.レット・ラヴ・ルール - 2.ママ・セッド - 3.自由への疾走 - 4.サーカス - 5.5 - 6.レニー - 7.バプティズム - 8.ラヴ・レヴォリューション - 9.ブラック・アンド・ホワイト・アメリカ - 10.ストラット - 11.レイズ・ヴァイブレーション - 12.ブルー・エレクトリック・ライト

ベスト

1.グレイテスト・ヒッツ

関連項目
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