ヴィニャーレ

ヴィニャーレ (Vignale) は、かつて存在したイタリアコーチビルダーであり、現在はフォードのブランドの一つである。カロッツェリア アルフレード・ヴィニャーレ (Carrozzeria Alfredo Vignale) は1948年トリノのチリアーノ通り( Via Cigliano)[1]グルリアスコ生まれのアルフレード・ヴィニャーレ (Alfredo Vignale) により設立された。

概要

フィアット・500 トッポリーノに架装された最初のボディは1948年に、続いて特製のフィアット・1100が造られた。ヴィニャーレの顧客のほとんどはチシタリア、アルファロメオフェラーリフィアットマセラティランチアといったイタリアの企業であった。1968年にヴィニャーレはタトラ・613のボディをデザインした。ヴィニャーレがデザインし製造する車はこれらの自動車製造会社の主な量産車からの派生車種で、通常は少数生産であった。

ヴィニャーレはジョヴァンニ・ミケロッティとは密接な協力関係を保っていた。

ヴィニャーレは1969年カロッツェリア・ギアも保有していたデ・トマソ社によって買収されたが、両社とも1973年にフォードに売却され[1]、ヴィニャーレのブランドは1974年に消滅した。

1987年、フォードはデトロイトオートショーにてリンカーンバイヴィニャーレと名付けられたコンセプトカーを出展、1993年にはジュネーヴモーターショーにて当時フォードの傘下にあったアストンマーティンがラゴンダ・ヴィニャーレと名付けられたコンセプトカーを出展している。フォードはまた、2004年パリモーターショーに出展したフォード・フォーカスヴィニャーレというコンセプトカーでヴィニャーレの名称を再度使用した[2]が、量産車はフォード・フォーカス クーペ=カブリオレ(Ford Focus Coupé-Cabriolet)という車名になった。

2013年9月、フォード・オブ・ヨーロッパはヴィニャーレの名称をフォードの欧州限定高級サブブランドとして復活させる計画を発表した[3]GMCのデナリのように既存のフォード車の最上級グレードとして設定され、内外装や装備がアップグレードされる[4]。また、厳選されたディーラーに専用のラウンジが設けられて販売される。ヴィニャーレの名を冠する最初の車種はモンデオで、同月のフランクフルトモーターショーにコンセプトモデルが出展された[5]。翌2014年4月にはミラノデザインウィークにてS-MAXのヴィニャーレコンセプトが出展された[6]。この他にもクーガギャラクシーにもヴィニャーレ版が設定される可能性があると報じられている[7]

2015年4月、フォード・ヴィニャーレ・モンデオの市販モデルが発表された。翌5月からイギリスで発売が開始される。価格は29,045ポンド[8]

代表作

ヴィニャーレには自社でデザインして製作した車と他社(者)がデザインした車のボディ製造のみを担当した車がある。

代表作
車名 年度 デザイナー 備考
フィアット・8V デーモンルージュ 1952年
フェラーリ・340スパイダー ヴィニャーレ 1953年
フェラーリ・500モンディアル ヴィニャーレ 1953年
マセラティ・3500GT スパイダー ヴィニャーレ 1959年 ジョヴァンニ・ミケロッティ
マセラティ・3500GT セブリング 1965年
フィアット・1300/1500 クーペ 1962年
ダイハツ・コンパーノ バン 1962年
ダイハツ・スポーツ 1963年 クーペとコンバーチブル
マセラティ・メキシコ 1965年 ジョヴァンニ・ミケロッティ
ジェンセン・インターセプター 1966年 カロッツェリア・トゥーリング
フィアット・124 クーペ・エヴェリネ 1966年
フィアット・500 スパイダー・ガミーネ 1967年
フィアット・125 クーペ・サマンサ 1967年
タトラ・613 1968年
マセラティ・インディ 1968年 ジョヴァンニ・ミケロッティ

ギャラリー

  • フィアット・8V デーモンルージュ(1952年)
    フィアット・8V デーモンルージュ(1952年)
  • フェラーリ・212 インテル(1951年)
    フェラーリ・212 インテル(1951年)
  • フェラーリ・212(1952年)
    フェラーリ・212(1952年)
  • マセラティ・3500GT スパイダー ヴィニャーレ(1959年)
    マセラティ・3500GT スパイダー ヴィニャーレ(1959年)
  • マセラティ・3500GT セブリング(1965年)
    マセラティ・3500GT セブリング(1965年)
  • フィアット・1300/1500 クーペ(1962年)
    フィアット・1300/1500 クーペ(1962年)
  • マセラティ・メキシコ(1965年)
    マセラティ・メキシコ(1965年)
  • ジェンセン・インターセプター(1966年)
    ジェンセン・インターセプター(1966年)
  • タトラ・613(1968年)
    タトラ・613(1968年)
  • マセラティ・インディ(1968年)
    マセラティ・インディ(1968年)

脚注

  1. ^ a b “ABOUT CARROZZERIA Vignale”. geocities.com. 2007年11月12日閲覧。
  2. ^ “2004 Ford Focus Vignale”. conceptcarz.com. 2007年11月12日閲覧。
  3. ^ “Ford to reveal Vignale sub-brand with special Mondeo in Frankfurt [UPDATE]”. Autoblog (2013年9月3日). 2015年4月24日閲覧。
  4. ^ 1973年から2008年頃まで、フォード車の最上級グレードはギアの名称を使用していた。
  5. ^ “Ford Mondeo Vignale concept debuts at Frankfurt Motor Show”. WorldCarFans.com (2013年9月11日). 2015年4月24日閲覧。
  6. ^ “Ford S-MAX Vignale concept unveiled, production version already planned”. WorldCarFans.com (2014年4月8日). 2015年4月24日閲覧。
  7. ^ “Ford Kuga and Galaxy could get range-topping Vignale version”. WorldCarFans.com (2015年4月10日). 2015年4月24日閲覧。
  8. ^ “Ford unveils range-topping Vignale Mondeo priced at £29,045”. WorldCarFans.com (2015年4月17日). 2015年4月24日閲覧。

外部リンク

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  • Vignale Gamine Vignale's only self-made car, based on the Fiat 500
  • フォード・ヴィニャーレ公式サイト
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