九龍ジェネリックロマンス
九龍ジェネリックロマンス | |
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ジャンル | 恋愛漫画、SF |
漫画 | |
作者 | 眉月じゅん |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ |
レーベル | ヤングジャンプ・コミックス |
発表号 | 2019年49号 - |
発表期間 | 2019年11月7日 - |
巻数 | 既刊9巻(2023年10月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『九龍ジェネリックロマンス』(クーロンジェネリックロマンス)は眉月じゅんによる日本の漫画。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2019年49号より連載中。
あらすじ
宇宙空間にもうひとつの地球「ジェネリック地球(テラ)」が建設される時代。九龍(クーロン)は雑然としてどこか懐かしい街だった。九龍の不動産会社旺来地産公社で働く鯨井令子は同僚の工藤発にひそかに思いを寄せていた。しかし、彼女はひょんなことから自分と全く同じ姿、名前の女性が過去に自分と同じように暮らしていたこと、自分に過去の記憶がないことに気付く。ゆったり時間が流れる九龍で、徐々に謎が明らかになっていく。
登場人物
- 鯨井 令子(くじらい れいこ)
- 32歳の女性。九龍城砦の不動産会社支社「旺来地產公司」に勤めている。スイカを食べたあとにタバコを吸うのが好き。過去の記憶がない。工藤に想いを寄せている。グエンと出会ったのをきっかけに過去にもう一人の自分「鯨井B」が存在していたことに気づき、「絶対の私になりたい」という思いを持つようになる。
- 鯨井B
- 過去に存在した令子そっくりの女性。名前は楊明がつけた仮名。工藤の2歳年上で、「旺来地產公司」では工藤の先輩にあたる。工藤の元婚約者だが、既に死亡している。単行本2巻以降の冒頭1話は鯨井Bのエピソードになっている。
- 工藤 発(くどう はじめ)
- 34歳の男性。「旺来地產公司」に勤めている。8を見かけると触ってしまう癖がある。過去に令子と同じ姿と名前をした女性(鯨井B)と婚約していた。
- 李(リー)
- 「旺来地產公司」の支店長を務める壮年の男性。令子と工藤の上司。必ず定時で退社する。
- 楊明(ヨウメイ)
- 令子の友人。ミシンを使ってぬいぐるみなどを作る縫製業で生計を立てている。令子を「レコぽん」と呼ぶ。本名は「ヤンミン」。国民的女優・楊麗(ヤンリー)の娘であるが、全身の整形手術で過去を捨て、九龍城砦で暮らしている。
- 小黒(シャオヘイ)
- 九龍の南燈街に住む小柄な女性。あちこちでアルバイトをしており、令子や工藤と頻繁に遭遇し懇意にしている。
- グエンの前では火災報知器の検査をする青年として登場し、九龍に少女姿のクローンと顔を合わせないようにして共存している。
- 蛇沼みゆき(へびぬま みゆき)
- 蛇沼製薬の社長。半陰陽で、男性愛者。蛇沼製薬前社長の庶子。とある事情からクローン人間の研究を極秘に進めており、令子に興味を持つ。
- タオ・グエン
- 喫茶店・金魚茶館の元ウェイターでみゆきの元恋人。
- ユウロン
- みゆきの友人。みゆきが執着する第二九龍について調べている。九龍は見えず入ることもできない。グエンに九龍の中の飲食物を摂取しないようアドバイスする。九龍が見える条件は「後悔」であると突き止める。
用語
- 第二九龍寨城
- 1994年に九龍寨城が取り壊されたあと、住民によって再び建設された九龍そっくりの都市。四季がなく、年中夏の様な気候。第58話で物語の3年前に蛇沼グループによって解体されたことが明かされる。グエンによれば見える人と見えない人がおり、見えない人には瓦礫にしか見えない。
- 楊明が外に出たときは所持金が消滅し、グエンから九龍で稼いだ金は外に出ると消えると教えられている。
- ジルコニアン
- ジェネリックテラ計画の裏で研究が進められていると噂になっているクローン人間。実在の人間をモデルにしており、モデルになった人間と会わせるとクローンのほうが消える。第二九龍寨城の住人の多くがジルコニアンと推定されている。令子はモデルの女性(鯨井B)が既に亡くなっているため、蛇沼は「ジェネリック」と形容した。
制作背景
物語の舞台となった九龍城砦はかつて香港に実在した鉄筋コンクリート構造のバラック、東洋の魔窟と通称される巨大なスラム街であった。中国大陸からの不法入境者の温床となるやや危険な地域だったが、1993年から1994年にかけて取り壊し工事が行われ、再開発後は九龍寨城公園(英語版)が造成され、現在は存在しない。
作者の眉月は中学生のときに遊んだPlayStation用ゲーム『クーロンズゲート』で九龍城砦を知り、『恋は雨上がりのように』の連載中から同地を題材にした漫画の構想を立てていた。舞台造りには九龍城砦の写真集だけでなく眉月がかつて旅行した台湾の雰囲気が反映された[1]。
書誌情報
- 眉月じゅん 『九龍ジェネリックロマンス』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、既刊9巻(2023年10月19日現在)
- 2020年2月19日発売[2]、ISBN 978-4-08-891488-6
- 2020年7月17日発売[3]、ISBN 978-4-08-891650-7
- 2020年11月19日発売[4]、ISBN 978-4-08-891728-3
- 2021年2月19日発売[5]、ISBN 978-4-08-891829-7
- 2021年6月18日発売[6]、ISBN 978-4-08-892012-2
- 2021年11月19日発売[7]、ISBN 978-4-08-892131-0
- 2022年5月18日発売[8]、ISBN 978-4-08-892271-3
- 2022年12月19日発売[9]、ISBN 978-4-08-892433-5
- 2023年10月19日発売[10]、ISBN 978-4-08-892863-0
出典
[脚注の使い方]
- ^ 眉月じゅん; 大熊八甲(インタビュアー:高橋史彦、福田瑠千代)「編集者は漫画家を助ける“壁”――『恋は雨上がりのように』作者が最新作『九龍ジェネリックロマンス』を作るまで(1/3 ページ)」『ねとらぼ』、ITmedia、1頁、2020年2月19日。https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2002/19/news012.html。2021年3月16日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/1/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年7月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/2/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年7月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/3/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2020年11月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/4/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2021年2月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/5/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2021年6月18日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/6/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2021年11月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/7/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2022年5月18日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/8/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2022年12月19日閲覧。
- ^ “九龍ジェネリックロマンス/9/眉月 じゅん”. 集英社コミック公式 S-MANGA. 2023年10月19日閲覧。
外部リンク
- 九龍ジェネリックロマンス - 週刊ヤングジャンプ
- 【九龍ジェネリックロマンス&恋雨】公式 (@ameagarinoyouni) - X(旧Twitter)
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