交響曲第61番 (ハイドン)

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交響曲第61番ニ長調 Hob. I:61 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1776年に作曲した交響曲。

成立年代

本作は、残された自筆原稿から1776年に作曲されたことが確定されている。ジェームズ・ウェブスター（英語版）によると、1776年4月にエステルハージ家にフルート奏者が雇われているため、それ以降の作品と考えられるという。1770年以前に書かれた第41番以来、久しぶりにフルート入りの交響曲が書かれた^[1]。

編成

フルート、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、ティンパニ、弦五部。

曲の構成

第1楽章 ヴィヴァーチェ
ニ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。

$\relative c'' { \version "2.18.2" \key d \major \time 4/4 \tempo "Vivace" \tempo 4 = 150 <d, fis' d'>4 \f d16 \p (e fis e) d8-. fis-. d-. fis -. d-. r b'-. b-. a-. a-. \grace a16 (g8) (fis16 g) fis8-. r d16 (e fis e) d8-. fis-. d-. fis-. d-. r b'-. b-. a-. a-. \grace a16 (g8) (fis16 g) fis8-. r b-. b-. a-. a-. \grace a16 (g8) (fis16 g) fis8-. r \grace a16 (g8) (fis16 g) fis8-. r \grace a16 (g8) (fis16 g) fis8-. r d-. d-. e-. e-. g-. g-. fis2 (e4) r }$

第43番『マーキュリー』と同様に、第1主題の最初の1音だけが全奏による。途中、弦のピッツィカートの上を管楽器が8分音符を奏でる部分が印象的である。2回目に管楽器によって同じ音型が出てくる際には、今度は弦楽器が半音階を演奏する。

第2楽章 アダージョ
イ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。

$<< \new Staff \with { instrumentName = #"V1 "} \relative c'' { \version "2.18.2" \key a \major \tempo "Adagio" \time 3/4 \tempo 4 = 60 a2.\p ^\markup {con sordini} ~ a8. gis32 (b d4. cis8-.) r b-. r a-. r gis-. a8. (b32 cis) b8-. r r4 a2. ~ a8. gis32 (b d4. cis8-.) r8 cis16 (b) r8 b16 (a) r8 a16 (gis) gis8. (a32 b) a8 r r4 } \new Staff \with { instrumentName = #"V2 "} \relative c' { \key a \major cis4 \p ^\markup {con sordini} (e fis8. e16) d4 (gis,4.) a8-. r d-. r cis-. r b-. cis (a') gis-. r r4 cis,4 (e fis8. e16) d4 (gis,4.) a8-. r e'16 (d) r8 d16 (cis) r8 cis16 (b) d4 (cis8) r r4 } \new Staff \with { instrumentName = #"Vc "} \relative c' { \key a \major \clef "bass" a4 \p (cis d8. cis16) b2 (a4) d,8 r e r e r a, r e' r r4 a4 (cis d8. cis16) b2 (a4) d,8 r e r e r a,4 r r } >>$

弱音器をつけたヴァイオリンによって、しっとりした主題が演奏される。

第3楽章 メヌエット：アレグレット – トリオ
ニ長調、4分の3拍子。

$\relative c'' { \version "2.18.2" \key d \major \time 3/4 \tempo "Menuet Allegretto" \tempo 4 = 140 \partial 4 d4 fis (a) fis-. d2 d4 cis (e) e-. e2 g,4 fis (d') d-. e, (b') b-. a,8 g' (fis g a g) fis4-. r \bar ":|." }$

$\relative c'' { \version "2.18.2" \key d \major \time 3/4 \tempo "Trio" \tempo 4 = 140 \partial 4 d,4 \p fis2 (g4 \trill) a d8 (cis b a) a (g e g fis d) fis (e d cis b a) fis'2 (g4 \trill) a d8 (cis b a) a (g e g fis cis) d4 r \bar ":|." }$

やや長めのメヌエット。トリオ部分はオーボエの独奏と弦楽器による。

第4楽章 プレスティッシモ
ニ長調、8分の6拍子、ロンド形式。

$\relative c'' { \version "2.18.2" \key d \major \time 6/8 \tempo "Prestissimo" \tempo 4 = 210 \partial 8 a8 \p d4 fis8 e (d e) a,4. ~ a8 b cis d (cis d) e (d e) fis4 r8 r4 a,8 d4 fis8 e (d e) a,4. ~ a8 b cis d (cis d) e (fis e) d4 r8 r4 \bar ":|." }$

非常に速い舞曲である。

脚注

^ デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第9巻のウェブスターによる解説、1999年

外部リンク

交響曲第61番ニ長調 Hob. I:61の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

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