合略仮名

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かな
仮名
万葉仮名


片仮名
平仮名の異体字片仮名の異体字

五十音撥音

わワ らラ やヤ まマ はハ なナ たタ さサ かカ あア
ゐヰ りリ (𛀆𛄠) みミ ひヒ にニ ちチ しシ きキ いイ
(𛄟𛄢) るル ゆユ むム ふフ ぬヌ つツ すス くク うウ
ゑヱ れレ (𛀁𛄡) めメ へヘ ねネ てテ せセ けケ えエ
をヲ ろロ よヨ もモ ほホ のノ とト そソ こコ おオ
んン

濁点つき

わ゙ヷ ばバ だダ ざザ がガ あ゙ア゙
ゐ゙ヸ びビ ぢヂ じジ ぎギ -
ゔヴ ぶブ づヅ ずズ ぐグ -
ゑ゙ヹ べベ でデ ぜゼ げゲ -
を゙ヺ ぼボ どド ぞゾ ごゴ -

半濁点つき

ら゚ラ゚ ぱパ た゚タ゚ さ゚サ゚ か゚カ゚ あ゚ア゚
り゚リ゚ ぴピ ち゚チ゚ し゚シ゚ き゚キ゚ い゚イ゚
る゚ル゚ ぷプ つ゚ツ゚ す゚ス゚ く゚ク゚ う゚ウ゚
れ゚レ゚ ぺペ て゚テ゚ せ゚セ゚ け゚ケ゚ え゚エ゚
ろ゚ロ゚ ぽポ と゚ト゚ そ゚ソ゚ こ゚コ゚ お゚オ゚

小書き

ゎヮ ゃャ - - - - ゕヵ ぁァ
𛅐𛅤
小書きヰ
- - - - ぃィ
- ゅュ っッ ぅゥ
𛅑𛅥
小書きヱ
- - - - - ゖヶ ぇェ
𛅒𛅦
小書きヲ
ょョ - - - こコ ぉォ
𛅧(小書きン)
ㇷ゚

多音節

(イフ)
(かしこ)
(こと/コト)
(さま)
(シテ)
(トキ)
(トモ)
(なり/ナリ)
(まいらせ候)
(より/ヨリ)
(ごと)
(ドモ)

踊り字

ゝヽ
〱゙ ゞヾ
〱゚ ゝ゚ヽ゚

長音符

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合略仮名(ごうりゃくがな)は、仮名の合字である。

概要

「ヿ(コト)」「(シテ)」などは合字ではないが、合略仮名とともに紹介されることがある。

明治33年の「仮名は1音につき1文字とする」という明治政府政令[1]により、公では使われなくなった[2]

電子機器上での扱い

2000年まで、コンピュータ上では外字の利用などでしか合略仮名を扱えなかった。

2000年JIS X 0213が定められた。これによって「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が使えるようになった。

2002年Unicode 3.2に「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が採用された。

2009年、Unicode 5.2に「(トモ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Cとして登録されてしまった。

2017年、Unicode 10.0に「 (シテ)」「(なり)」「(ナリ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Fとして登録されてしまった。

表示可能なフォント

2023年7月現在、合略仮名が表示可能なフォントには以下のようなものがある。

  • IPAmj明朝を収録)
  • Oradano明朝GSRRフォント(を収録)
  • 字躰帳変体仮名(を収録)

一覧

平仮名

以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
かしこ - - 𛀚しこ
こと ͡と - こと[3][4]
ごと ͡ど - ごと[3][4]
さま - - 𛃅[5][6]
- -
まいらせさうらふ - - まいらせ候
- -
より U+309F より[5][6][4]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
なり 𬼂 U+2CF02 [5][4][7][8]
とも 画像 - - [9]
ども - - 共゙[10][11]

片仮名

以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
トイフ - - ト云[5][12][13][14]
トキ - - トキ[5][12][13][3][4][14]
トテ - - トテ[5]
トモ 𪜈 U+2A708 トモ[5][12][13][3][4]
ドモ 𪜈゙ - ドモ
ヨリ - - ヨリ[12][13][14]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
イフ - -
コト U+30FF [5][12][13]
シテ 𬼀 U+2CF00 [12][13]
トキ - - [12][13][14]
ナリ 𬻿 U+2CEFF [12][13][14]

類似の文字

  • 「ます」と読む文字」は、計量に使用する記号化したものであり、合略仮名ではない。
  • 漢字一部を仮名に置き換えた字(略字)があるが、これらも合略仮名ではない。
    • 例:「機」、「議」、「摩」または「魔」 →「略字」を参照。
  • インターネットスラングで、既存の文字のが他の文字として解読できる場合、当該文字1字を他の文字2字の代わりとして用いる場合がある。
    • 例:「托い」(キモい)「モルール」(モノレール)など。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ ウィキソース出典 文部省『小学校令施行規則第十六条』1900年。ウィキソースより閲覧。 
  2. ^ 文部省調査局 (1957年). “国語改善に関する略年表” (pdf). 文科省. 国語シリーズ 33 国語問題問答 第五集. 文部省. p. 66. 2020年9月25日閲覧。
  3. ^ a b c d 普通日本文典 落合直文ほか 1893年
  4. ^ a b c d e f 和漢の文典 : 雅俗対照
  5. ^ a b c d e f g h 日本大文典. 第1編 P.42-45 落合直文 1894年
  6. ^ a b ことばの泉 : 日本大辞典 (21版) P.3 落合直文 1904年
  7. ^ 児玉幸多『くずし字解読辞典〔普及版〕』東京堂出版 1993年 ほか
  8. ^ 田島毓堂「法華経為字和訓考—資料編(三)—」名古屋大学文学部研究論集 1990年
  9. ^ “◆”. 漢字字躰帳. 2024年2月29日閲覧。
  10. ^ “◆”. 漢字字躰帳. 2024年2月29日閲覧。
  11. ^ “国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年2月29日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h 國語學大系 第七巻 文字(一) P.302-303 福井久蔵 1939年
  13. ^ a b c d e f g h 仮字本末 伴信友 1850年
  14. ^ a b c d e 操觚便覧藤井乙男編 1899年

参考文献

  • 蛇蔵、海野凪子『日本人の知らない日本語 なるほど〜×爆笑!の日本語"再発見"コミックエッセイ』メディアファクトリー、2009年2月18日。ISBN 978-4-8401-2673-1。  - 「まいらせそうろう」について言及。
  • 益田多米彦 編『日本文典初歩』益田多米彦、1902年6月30日。https://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=40078885  - 合略仮名ついての説明。

関連項目

  • 変体仮名
  • 合字
  • いふ (仮名)
  • かしこ (仮名)
  • こと (仮名)
  • さま (仮名)
  • して (仮名)
  • とき (仮名)
  • とも (仮名)
  • なり (仮名)
  • まいらせ候 (仮名)
  • より (仮名)

外部リンク

  • 漢字字躰帳 - 変体仮名・合略仮名の一覧
  • 『四書講義 上巻 大学 中庸 論語 大学講義』 - 実際の文章での使用例。
  • 千都フォント|連載#8「連綿体仮名活字」 - 江戸末期の合略仮名が活字化されたことについて詳細を説明。
  • 日本語練習虫 - 築地体前期五号と後期五号の「ごと」「さま」「かしこ」「ふみして」などを紹介。
  • @uakira2 - 「𛀙」と「し」と「こ」の合字が見える。
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