和泉市久保惣記念美術館

和泉市久保惣記念美術館
Kuboso Memorial Museum of Arts, Izumi
和泉市久保惣記念美術館
地図
施設情報
収蔵作品数 約11,000点[1]
事業主体 和泉市
建物設計 株式会社竹中工務店[2]
開館 1982年(昭和57年)10月[1]
所在地 594-1156
大阪府和泉市内田町三丁目6番12号
位置 北緯34度26分42.2秒 東経135度27分12.2秒 / 北緯34.445056度 東経135.453389度 / 34.445056; 135.453389座標: 北緯34度26分42.2秒 東経135度27分12.2秒 / 北緯34.445056度 東経135.453389度 / 34.445056; 135.453389
外部リンク 和泉市久保惣記念美術館
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和泉市久保惣記念美術館 (いずみしくぼそうきねんびじゅつかん) は、大阪府和泉市内田町にある、東洋古美術を中心とした市立美術館である。

概要

地元和泉市で明治より代々綿織物業を営み、泉州有数の企業であった「久保惣」(久保惣株式会社)[3]の社長・3代目久保惣太郎(1926-1984)が、古美術品のコレクション約500点と、土地、建物(本館、茶室)、基金3億円を和泉市に寄付し、1982年(昭和57年)開館した。1997年(平成9年)には久保惣5代目の久保恒彦(3代惣太郎の弟)により新館が完成し寄贈されている。このほか、1999年には久保惣記念文化財団を経て、音楽ホール、創作教室、市民ギャラリーが寄贈され、2006年には同財団から研究棟が寄贈された[4]。現在、久保恒彦が名誉館長をつとめる。

所蔵品も順次寄贈され、現在は国宝2件、国の重要文化財29件を含む、所蔵総数は約11000点。作品の大半は久保惣コレクションで、収集年代や経緯によって第一次から第五次久保惣コレクションと呼んでいる。個人コレクションとしては日本でも有数の規模と質の高さをもつものであり、仏画絵巻陶磁などに名品が多い。これ以外に館の事業や運営に賛成したコレクターからの寄贈や、指定寄付金などを使った購入品がある。まとまった個人コレクションとして、林宗毅(1923-2006)が収集した中国近代絵画の「定静堂コレクション」400点余り[5]や、実業家・江川淑夫(としお)が集めた中国の帯鉤(たいこう、バックル)や青銅器260点余りが挙げられる。浮世絵も約6000点所蔵しており、関西圏では浮世絵を公開する機関は限られ展観でも人気が高い。

新館ではモネルノワールセザンヌゴッホピカソロダンなどの西洋近代絵画・彫刻や、中国の工芸品などが展示されている。

主な収蔵品

歌仙歌合
宮本二天筆 枯木鳴鵙図
モネ『睡蓮』(1907年)

国宝

重要文化財

日本絵画

中国絵画

  • 紙本著色十王経(伝敦煌出土)
  • 絹本著色鍾馗図(井上馨旧蔵)

彫刻

  • 木造胎蔵界八葉院曼荼羅刻出龕(がん)

陶磁

  • 黄瀬戸立鼓花生(りゅうごはないけ)銘旅枕
  • 唐津茶碗(三宝)

金工

  • 響銅水瓶(きょうどうすいびょう/さはりすいびょう)
  • 鵲尾形柄香炉(じゃくびがた えごうろ)
  • 牡丹蝶鳥鏡
  • 菊花双鶴鏡
  • 梅花檜垣群雀鏡
  • 蓬莱山方鏡

書跡典籍

  • 貫之集下断簡(石山切二枚継) 藤原定信筆(しらつゆも)
  • 熊野懐紙 藤原範光筆(山河水鳥・旅宿埋火)
  • 伏見天皇宸翰宝篋印陀羅尼経
  • 法華経化城喩品(けじょうゆほん)(京都・青蓮院伝来)
  • 大字法華経薬草喩品
  • 箔散料紙墨書法華経方便品(京都・青蓮院伝来)
  • 聖一国師墨蹟 法語(蝋牋)
  • 大覚禅師墨蹟 上堂語
  • 一山一寧墨蹟 瑞巖空照禅師頌

考古資料

  • 画文帯神獣鏡 建武5年(498年

登録有形文化財

以下の茶室3棟と付属建物など10件が国の登録有形文化財に登録されている。

  • 茶室聴泉亭
  • 茶室惣庵
  • 茶室楠陰庵
  • 茶室玄関
  • 茶室正門
  • 茶室外腰掛待合
  • 茶室内腰掛待合
  • 茶室中潜
  • 茶室梅見門
  • 茶室井筒

登録記念物(名勝地関係)

その他の主な収蔵品

  • 山崎架橋図
    山崎架橋図
  • 鍾馗図(元時代)
    鍾馗図(元時代)

施設概要

  • 本館
  • 新館
  • 和泉市久保惣市民ホール
  • 和泉市久保惣市民ギャラリー
  • 和泉市久保惣市民創作教室
  • 日本庭園
  • ティールーム(20席)
  • 茶室
  • 敷地面積 - 6,127m2
  • 所在地 - 〒594-1156 大阪府和泉市内田町3-6-12

交通アクセス

鉄道・バス

自動車

駐車場

終日無料、約100台収容。

脚注

  1. ^ a b “美術館の概要”. 和泉市久保惣記念美術館. 2015年8月22日閲覧。
  2. ^ “BCS賞受賞作品”. 日本建設業連合会. 2015年8月22日閲覧。
  3. ^ 同社は昭和30年代の繊維不況を機に、それまでの織物業を通じて関係の深かった豊田自動織機の支援も得て主力事業をトヨタ自動車カーディーラーへ転換。現在の「トヨタ南海グループ」(トヨタカローラ新大阪、ネッツトヨタ新大阪、トヨタカローラ南海、ネッツトヨタ南海などを傘下に置く)へと発展した。
  4. ^ 各施設の寄贈年次は美術館公式サイトによる。
  5. ^ なお、林宗毅は東京国立博物館故宮博物院にも寄贈しており、その総数は1000点を超える。
  6. ^ 令和3年3月26日文部科学省告示第51号
  7. ^ “文化審議会の答申(史跡等の指定等)について”. 文化庁. 2020年11月25日閲覧。
  8. ^ “交通アクセス”. 和泉市久保惣記念美術館. 2018年2月28日閲覧。

参考文献

  • 田中日佐夫 『美術品移動史 ─近代日本のコレクター達─』 日本経済新聞社、1981年11月
  • 脇村春夫 「久保惣 ─久保美術館に至る久保家5代の経営者の足跡(1885~1997)─」(『大阪大学経済学』第51巻第2号、2001年11月、所収。大阪大学大学院経済学研究科博士号学位論文『日本の短繊維織物産地における大手機業経営(「産地大経営」)の戦後の展開─事例研究による発展要因、持続要因、廃業要因─』、2005年6月、再収)
  • 和泉市久保惣記念美術館編集・発行 『久保恒彦父子コレクション 浮世絵版画秀鑑』、2009年10月
  • 和泉市久保惣記念美術館編集・発行 『久保恒彦父子コレクション 第二期 浮世絵版画 江戸絵編』、2009年10月
  • 和泉市久保惣記念美術館編集・発行 『久保恒彦父子コレクション 第二期 浮世絵版画 上方絵編』、2009年10月
  • 和泉市久保惣記念美術館編集・発行 『和泉市久保惣記念美術館 新蔵品選集』、2012年10月

外部リンク

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