大統領上級顧問 (ホワイトハウス)

曖昧さ回避 合衆国内閣とも呼ばれる「アメリカ合衆国大統領顧問団」とは異なります。

大統領顧問(だいとうりょうこもん)とは、ホワイトハウスにおいてアメリカ合衆国大統領に助言する役職について、日本のマスメディア等にて使用される呼称・表現。

全く異なる2種類の役職である

  1. 法的な問題についての顧問である Counsel to the President (en:White House Counsel)
  2. 政治的な問題についての顧問である上級顧問(en:Senior Advisor to the President of the United States)

に大きく分けられる。

Counsel to the President

単に「大統領顧問」と訳す場合、この Counsel to the President White House Counsel )を指すのが通例である。また、その職務の内容に着目して「大統領法律顧問」と訳される場合も多い。そもそも英語で Counsel とは、弁護士弁護人、法的な代理人法律顧問などを意味する。

大統領によって任命される。その役割は、大統領やホワイトハウスに関する全ての法的な問題について大統領へ助言することである。

職責

この役職は、1943年に創設され、次に挙げる事項について大統領に助言する責任を負う。

  • 政策上の問題における全ての法的な側面。
  • 議会から送付された法案に署名するのか拒否権を行使するのかの大統領の決定に関連して生じる法的な問題。
  • 倫理上の問題。
  • 財務上の開示。

更に、この役職は、次に挙げる事項についても大統領を補助する。

  • 公的な活動と政治的な活動との境界線を明確にすること。
  • 行政や司法の人事(指名や選択)を監督すること。
  • 大統領恩赦を取り扱うこと。
  • 立法や大統領教書の内容を検討すること。
  • 大統領に対する訴訟を扱うこと。但し、大統領としての職務に関わる訴訟に限る。

また、司法省へのホワイトハウス側の窓口でもある。

制限

大統領へ法的な助言を提供する役職であるものの、あくまでも大統領の公的な(職務上の)範囲内においてのみであるので、大統領の個人的な弁護士としては、活動することを認められていない。それゆえ、弁護士と依頼人との間における特権・義務(en:attorney-client privilege)の範囲について論争が生じている。しかしながら、そのような特権・義務は、少なくとも弾劾の手続などの個人的な事項について適用されないので、そのような状況において大統領は、内々の法的な助言について個人的な弁護士に頼ることになる。

大統領上級顧問(Senior Advisor to the President)

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国大統領上級顧問
Senior Advisor to the President

もともと Senior Advisor とは、アメリカ合衆国連邦政府の様々な役職に使用される肩書である。

アメリカ合衆国大統領行政府においては、2つの異なる範囲の役職を指して使用されて来た。

  • ジョージ・W・ブッシュ政権においては、公式な役職であり、まずカール・ローヴが、次に Barry Steven Jackson が、それぞれ Office of the Senior Advisor to the President という部局を充てられ、次のグループに責任を負った。
    • en:White House Office of Strategic Initiatives
    • en:White House Office of Public Engagement and Intergovernmental Affairs
    • その他の政治問題
  • それ以前の政権においては、その他の様々な目的のための役職に使用された。

一覧

写真 氏名 居住州 所属政党 就任 退任 仕えた大統領
カール・ローヴ テキサス州 共和党 2001年1月21日 2007年8月31日 ジョージ・W・ブッシュ
バリー・スティーブン・ジャクソン(英語版) オハイオ州 2007年9月1日 2009年2月19日
デイヴィッド・アクセルロッド イリノイ州 民主党 2009年1月20日 2011年1月10日 バラク・オバマ
ピート・ラウス サウスダコタ州 2010年10月1日
バレリー・ジャレット(英語版) イリノイ州 2017年1月20日
デビッド・プラフ(英語版) デラウェア州 2011年1月10日 2013年1月25日
ダニエル・ファイファー(英語版) デラウェア州 2013年1月25日 2015年3月6日
ブライアン・ディーズ(英語版) マサチューセッツ州 2015年2月13日 2017年1月20日
シャイラ・マリー(英語版) ニューヨーク州 2015年4月3日
ジャレッド・クシュナー ニュージャージー州 共和党 2017年1月20日[1][2] 2021年1月20日 ドナルド・トランプ
スティーブン・ミラー カリフォルニア州
イヴァンカ・トランプ ニューヨーク州 2017年3月28日[3][4][5]
ケビン・ハセット マサチューセッツ州 2020年4月15日 2020年7月1日
マイク・ドニロン(英語版) ロードアイランド州 民主党 2021年1月20日 現職 ジョー・バイデン
セドリック・リッチモンド(英語版) ルイジアナ州
アニタ・ダン(英語版) メリーランド州
ジーン・スパーリング(英語版) ミシガン州 2021年3月15日
ニーラ・タンデン(英語版) マサチューセッツ州 2021年5月17日

脚注

  1. ^ John Wagner (2017年1月9日). “Trump’s son-in-law, Jared Kushner, to join White House as senior adviser; no formal role for Ivanka Trump”. The Washington Post. 2017年3月28日閲覧。
  2. ^ MATTHEW NUSSBAUM (2016年12月13日). “Trump taps campaign aide Stephen Miller as senior adviser”. Politico. 2017年3月28日閲覧。
  3. ^ “Executive Office Of The President Annual Report To Congress On White House Office Personnel White House Office As Of: Friday, June 30, 2017” (PDF) (English). White House. p. 15. 2017年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月30日閲覧。
  4. ^ https://www.cnn.com/2017/03/29/politics/ivanka-trump-white-house-job/index.html
  5. ^ https://www.apnews.com/2b3bab9741604a448e1c2b8bd49e6931

外部リンク

  • Executive Office of the President
  • Records of Thomas E. Stephens, White House Counsel, 1953, Dwight D. Eisenhower Presidential Library
  • Diaries of Bernard M. Shanley, White House Counsel, 1953-1955, Dwight D. Eisenhower Presidential Library
  • Records of Gerald Morgan, White House Counsel, 1955-1958, Dwight D. Eisenhower Presidential Library
  • Records of David W. Kendall, White House Counsel, 1958-1961, Dwight D. Eisenhower Presidential Library
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