大谷大学短期大学部(おおたにだいがくたんきだいがくぶ、英語: Otani University Junior College)は、京都府京都市北区小山上総町に本部を置いていた日本の私立大学である。1950年に設置され、2021年に廃止された。大学の略称は大谷短大。
概観
大学全体
- 京都府京都市北区に所在した日本の私立短期大学[1]で、設置主体は学校法人真宗大谷学園[2]であり、浄土真宗の教えに基づいた教育がベースとして大谷大学と同じキャンパスにあった
- 国内で最初に認可された短期大学149校[注 2]の1校として、1950年に1学科80名体制で開学した[3]。
- その後は、学科の増設により最大で3学科体制[4]まで発展したが、時代のニーズの変化に伴い最終的には1学科体制となる。
- 2018年度の入学生を最後に[注 3][注釈 1]、短期大学としての使命を終えた。
教育および研究
- 大谷大学短期大学部における教育
- 仏教科:浄土真宗をベースとして仏教や宗教に関する科目が中心となっていた。「真宗学」や「歎異抄演習」といった全国の短大でも珍しい科目が開講されていた。
- 幼児教育保育科:仏教系の大学という特徴を活かして「仏教保育演習」といった科目もあった。
- 一般教育科目では「仏教と人間」・「情報リテラシー」・「英語」という科目が全学科必修となっていた。
学風および特色
- 大谷大学短期大学部は大学と同様、親鸞の浄土真宗思想に基づいた教育がベースとなっていた。
- 全国の短大でも数少ない仏教科が設置されており、60年近くの歴史があった。
- 仏教・文化といった大学と同類の学科が設置されていたため短大卒業後、同大学へ編入学する学生が毎年少なからずいた。
沿革[注 4]
- 1949年10月 短期大学の設置認可に関する申請を以下の通り行う[6][注 5]。
- 1950年
- 3月14日 左記を以て短期大学の設置が文部省[注 6]より認可される[11]。
- 4月1日 左記を以て大谷大学短期大学部が上記の学科体制にて開学する[12]。
- 1963年
- 4月1日 左記を以て以下の学科を増設する[14]。
- 同 仏教科の入学定員80→40に減員[14][注 9]。
- 1966年
- 4月1日 左記を以て以下の学科を開設する[17][18]。
- 1976年
- 4月1日 左記を以て入学定員を変更する。
- 仏教科 40[22]→80[23][注 13]
- 国文科 40[22]→80[23][注 14]
- 幼児教育科 50[22]→70[23][注 15]
- 1985年
- 4月1日 左記を以て入学定員を変更する[25]。
- 仏教科 80[26][27]→120[28][29][注 17]
- 国文科 80[26][27]→120[28][29][注 18]
- 1992年
- 2月 左記において行われた一般入学試験で、仏教科の競争率が11.5倍を記録した[注 19]。
- 4月1日 入学定員を以下の通り変更する。
- 仏教科 120→80[注 21]
- 国文科 200→文化学科 300[注 22]。
- 2000年
- 2006年 幼児教育科を幼児教育保育科に改称。文化学科の定員減。
- 2008年 文化学科の学生募集を最終とする。かつ入学定員50に減員。
- 2009年 入学定員を以下の通り変更する。
- 201X年 仏教科の入学定員40→20に減員。
- 2017年 仏教科[注 23]の学生募集を最終とする。
- 2018年 短期大学としての学生募集をこの年度で最終とする[注釈 1]。
- 2019年 仏教科が廃止される。
- 2021年 廃止[41]。
基礎データ
所在地
象徴
- 大谷大学短期大学部のカレッジマークは大学と同じものが用いられていた。
教育および研究
組織
学科
- 仏教科[注釈 3]
- 国文科→文化学科[注釈 4]世界における文化について学ぶ学科となっていた。日本文学や日本文化など旧来の国文科に設置されていた科目が一部残っていた。
- 幼児教育科→幼児教育保育科
専攻科
別科
取得資格について
- 資格
- 保育士:幼児教育保育科[注 25]
- 司書:文化学科で取得可能であった。
- 教職課程
- 幼稚園教諭二種免許状が幼児教育保育学科にて設置されていた。
- かつては、中学校教諭二種免許状の課程も設けられていた。
- 国語:1999年度までの入学生を対象に、文化学科にて設置されていた。
- 宗教:かつて仏教科にて設置されていた。
- 当初は中学校教諭ほか高等学校教諭免許状(国語)(宗教)の教職課程を仏教科に併設。のちに宗教科のみとなる[44]。
附属機関
学生生活
部活動・クラブ活動・サークル活動
- 大谷大学短期大学部のクラブ活動は、大学と合同で行われている。年度にもよるが、体育系よりも文化系(社会系)のクラブに所属する学生の方が多い傾向にあった。
学園祭
- 大谷大学短期大学部の学園祭は大学と合同で、毎年概ね11月に実施されていた。
大学関係者と組織
大学関係者組織
- 大谷大学同窓会がある。無論、短期大学部も含まれる。
大学関係者一覧
大学関係者
出身者
施設
対外関係
姉妹校
系列校
卒業後の進路について
編入学・進学実績
注釈
注釈グループ
- ^ a b 2019年度より幼児教育保育科を募集停止[40]。
- ^ a b c 入学定員80名
- ^ 学生募集は2017年度入学生まで。
- ^ 学生募集は2008年度入学生まで。
補足
- ^ ほか学科も参照のこと。
- ^ うち私立短期大学132校
- ^ 幼児教育保育学科の1学科のみ
- ^ より引用。
- ^ 短期大学の設置認可に関する申請を行っていた履歴については以下も参照のこと[8]。
- ^ 現在の文部科学省。
- ^ うち男6
- ^ 在学者 19[注 7][15]/入学定員 40[16]。
- ^ 学生数 男37[15]。
- ^ 在学者数 女子44[19]/入学定員 50[20]。
- ^ 設置の認可は1月25日[21]。
- ^ うち女95
- ^ 学生数 205[注 12]。
- ^ 学生数 女247。
- ^ 学生数 女156。
- ^ うち女94
- ^ 学生数 224[注 16]。
- ^ 学生数 女246。
- ^ 受験者482人に対し、合格者が42人、300点満点中225点が合格最低点とかなり厳しい結果となっていた。ちなみに、この年に課された試験科目は国語と英語となっており、前年の同種入学試験では課されていた社会科目と国語科目である漢文がそれぞれ削除されていたその前年は1.4倍程度で、格段にアップした。後述のとおりこの年は、国文科が文化学科に改組され、仏教科の定員が文化学科に移動された。以上のことから、競争率が格段に上がったものとみられる。
- ^ うち女169
- ^ 学生数 357[注 20]。
- ^ 文化学科の学生数 男28、女301、国文科の学生数:男17、女193。
- ^ 入学定員 20。
- ^ 現在の厚生労働省。
- ^ 1966年12月3日、厚生省[注 24]告示557より保母養成施設に指定される[42]。
出典
- ^ 日本の私立短期大学より。
- ^ 学校法人一覧 昭和38年版より。
- ^ 官報 1950年09月14日より。
- ^ 大学創造 (3)より。
- ^ 日本教育年鑑より。
- ^ 全国学校名鑑 昭和25年版より。
- ^ 短期大学一覧 昭和26年度 (短期大学資料 ; 第3号)より。
- ^ 短期大学一覧 昭和25年5月1日現在より。
- ^ a b 短期大学一覧 昭和38年度 (短期大学資料)より。
- ^ a b 全国学校総覧 昭和39年版より。
- ^ 短期大学教育 (18)より。
- ^ 短期大学一覧 昭和41年度 (短期大学資料)より。
- ^ 短期大学一覧 昭和42年度 (短期大学資料)より。
- ^ 全国学校総覧 昭和42年版より。
- ^ 短期大学教育 (20)より。
- ^ 文部省年報 第93年(昭和40年度)より。
- ^ a b c 短期大学教育 (33)より。
- ^ a b c 短期大学教育 (34)より。
- ^ 大学資料 (95)より。
- ^ a b 全国短期大学一覧 昭和59年度より。
- ^ a b 全国短期大学・高等専門学校一覧 昭和59年度より。
- ^ a b 全国短期大学一覧 昭和60年度より。
- ^ a b 全国短期大学・高等専門学校一覧 昭和60年度より。
- ^ 大学資料 (146)より。
- ^ 【重要なお知らせ】幼児教育保育科の学生募集停止(2019年度以降) - 大谷大学、2021年12月25日閲覧。
- ^ 大谷大学短期大学部廃止に伴う短期大学部卒業者への証明書発行について - 大谷大学、2021年12月25日閲覧。
- ^ 現行法令輯覧 10巻 社会1より。
- ^ 教員の資格・給与・恩給詳解より。
参考文献
1949年短大設置申請分
- 文部省『申請大学、短期大学等一覧 短期大学審査状況』(PDF)文部省。https://nierlib.nier.go.jp/lib/database/SENGO/EF10000736/006_231.pdf。
- 文部省『短期大学審査状況』(PDF)文部省。https://nieropac.nier.go.jp/opac/opac_download_md/EF10000779/006_275.pdf。
- 文部省管理局管理課『昭和25年5月1日現在 短期大学等一覧』(PDF)文部省。https://nierlib.nier.go.jp/opac/opac_download_md/EF10000844/006_340.pdf。
- 旺文社『蛍雪時代 19(10);昭和25年1月號』旺文社。https://dl.ndl.go.jp/pid/11696244。
全国短期大学高等専門学校一覧
- 文部省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成4年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I072315626-00。
- 短大・高専教育研究会監修『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成12年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064919799-00。
- 文部科学省『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成18年』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064919793-00。
- 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成20年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064919801-00。
- 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成21年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I065216955-00。
- 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成23年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I041013387-00。
- 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成28年度』文教協会。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I072416120-00。
全国学校総覧
- 文部省『全国学校総覧 昭和52年版』東京教育研究所。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028943016-00。
- 文部省『全国学校総覧 昭和61年版』原書房。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005663143-00。
- 文部省『全国学校総覧 1993年版』原書房。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I023028132-00。
教員養成関連資料
- 文部省大学学術局『教員養成課程認定大学短期大学一覧 : 附指定教員養成機関一覧. (昭和30年) / (編)』(PDF)文部省。https://nierlib.nier.go.jp/opac/opac_download_md/DG00000271/R03-0610.pdf。
その他
- 『大学入試全記録;全国4600高校420大学合格者92』毎日新聞社。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I051017477-00。
関連項目
外部リンク
- 大谷大学短期大学部 - ウェイバックマシン(2021年5月17日アーカイブ分)
- 真宗大谷派学校連合会
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