容疑者の夜行列車

容疑者の夜行列車
著者 多和田葉子
発行日 2002年7月
発行元 青土社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 163
公式サイト 容疑者の夜行列車 単行本 青土社
コード ISBN 978-4-7917-5973-6
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容疑者の夜行列車』(ようぎしゃのやこうれっしゃ)は、日本の小説家多和田葉子による小説である。

雑誌『ユリイカ』の2001年1月号から2001年12月号までに連載されたものに、書き下ろし作品「第11輪 アムステルダムへ」を加え、2002年7月に青土社より単行本が刊行された[1][2]。装丁は、中島かおるによる。写真は、斎藤忠徳による[1]。2003年、第39回谷崎潤一郎賞を受賞する[3]。同年、第14回伊藤整文学賞を受賞する[4]

主人公を二人称〈あなた〉で表現した二人称小説である[5]。多和田は、本作の他に、『旅をする裸の眼』や『アメリカ 非道の大陸』など、女性が母国語圏外の地域を旅行する小説を多数発表している[6]。書評家の江南亜美子は、「もう何度も読み返しているが、いつ開いても完璧なテキストだとうっとりしてしまう」[7]と評価している。

あらすじ

ある日、〈あなた〉は、ハンブルクにあるハンブルク=アルトナ駅で、パリ行きの夜行列車に乗り込んだ。〈あなた〉は、ホームや列車の席に人があまりいないことを妙に思う。途中で、車掌から、ストライキの影響で列車がすべて止まることを知らされ、バスに乗り換える。やがて、ブリュッセルと思われるところに到着する。ある日、〈あなた〉は、ジーゲン行きの列車が遅れているので、ジーゲンまで行くという1組の男女の車に乗せてもらう。そして、〈あなた〉は、物理学者だという男とチューリッヒ行きの列車に乗り込む。

主な登場人物

〈あなた〉
旅人。ダンサー。女性。
物理学者。

脚注

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  1. ^ a b 『容疑者の夜行列車』 2001.
  2. ^ “容疑者の夜行列車 単行本”. 青土社. 2019年1月27日閲覧。
  3. ^ “谷崎潤一郎賞受賞作品一覧”. 中央公論新社. 2019年1月26日閲覧。
  4. ^ “歴代受賞者”. 伊藤整文学賞の会. 2019年1月26日閲覧。
  5. ^ 松永美穂. “書物であり、劇場としての街”. 新潮社. 2019年1月26日閲覧。
  6. ^ “言語態研究会・シンポジウム「女性たちのエクソフォニー-多和田葉子さんを迎えて」”. 東京大学. 2019年1月26日閲覧。
  7. ^ ami_enaのツイート(774493793240256512)

参考文献

第39回谷崎潤一郎賞
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代