日本大王国志
『日本大王国志』(にほんだいおうこくし、蘭:Beschryvinghe van het machtigh koningryk Japan、英:A True Description of the Mighty Kingdoms of Japan)とは、フランソワ・カロンが執筆した書物。1620年~1640年に平戸のオランダ商館に勤務したカロンが、1636年にバタヴィア商務総監のフィリプス・ルカスの質問に対した回答が元になっている。
概要
カロンは、料理人[1]として1619年に平戸のオランダ商館に着任した[2]。その直後に、日本人女性と結婚し、6人の子供をもうけ[2] 、日本語に熟達した。1627年には、通訳として参府している[2][3]。1626年には商館助手に昇進し、1633年4月9日には次席(ヘルト)となり、1636年2月には館長代理となった。
館長代理時代、バタヴィア商務総監のフィリプス・ルカスから日本の事情に関する報告を書くように要請されたが、一般的記事を書くことは断り、1636年にルカスの質問31問に回答する形で執筆された。カロンは本書が出版されることを想定していなかったが、1645年に『オランダ東インド会社の創建ならびに発展誌』の巻末に添付され、翌年には再版が出版された。さらに1661年にはカロン自身が校正を加え、さらに挿絵を付け加えた上で1661年に単行本として出版された。オランダ語版に加えて、英語版、ドイツ語版、フランス語版、イタリア語版、ラテン語版、スウェーデン語版が出版された。
質問内容
- 日本国の大きさ、日本は島国か
- 如何に多くの州を含むか
- 日本における最上支配者の特質と権力
- 将軍の住居、地位、行列
- 兵士の数と武器
- 幕閣およびその権力
- 大名とその勢力
- 大名の収入とその源泉
- 処刑の方法
- 何が重罪に相当するか
- 住民の信じる宗教
- 寺院
- 僧侶
- 宗派
- キリシタンの迫害
- 家屋、建具
- 来客の接待
- 結婚生活
- 子供の教育
- 遺言が無い場合の相続
- 日本人は信用できるか
- 貿易および貿易従事者
- 内地商業および外国航海
- 商業の利益
- 外国との交際
- 日本の物産
- 貨幣および度量衡
- 鳥獣類
- 鉱泉
- 将軍への謁見
- 言語、写字、計算方法、子孫に歴史を公開するか
脚注
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