特呂二号原動機
特呂二号(KR10)とは秋水の原動機で高温ヴァルター機関である。KRは「くすり(薬、薬液)ロケット」の頭文字である。
概要
ドイツから戦略物資の見返りとして伊29潜で運ばれシンガポールで降りた技術者が空路持ち帰ったHWK 109-509の部分的な資料を参考に開発された。
濃度80%の過酸化水素から構成される甲液を酸化剤に、メタノール57%/水化ヒドラジン37%/水13%の乙液を混合させる事により化学反応をさせるというシステムである。(ドイツはT液とC液)。また安定剤兼反応促進剤として甲液にはオキシキノリンとピロ燐酸ソーダを、乙液に銅シアン化カリウムが加えられた。触媒に二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、苛性ソーダを六面体に練り固めたものを用いた[1]。混ぜるだけで反応する自己着火性推進剤で安定した燃焼のためには一定比率(重量比10:3.6)で混合する必要があった。
1945年6月に完成した。
仕様
一般的特性
- 形式: 液体燃料ロケットエンジン
- 全長: 2500mm
- 直径:
- 乾燥重量: 170kg
構成要素
性能
保存
- 三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所史料室[2]
- 呉市海事歴史科学館 - 燃焼室とノズルのみ[3]
- プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館
関連項目
- HWK 109-509 - Me163に搭載された。
- BMW 109-718 - 離陸補助ロケットとして使用された。
- XLR11 - 音速を超えたX-1に搭載された。
- XLR99 - X-15に搭載された。
- ブリストル・シドレー BS.605
- アームストロング・シドレー ベータ
- アームストロング・シドレー スナーラー
- デ・ハビランド スペクター
脚注
参考文献
- 藤平右近 海軍技術少佐『機密兵器の全貌 わが軍事科学技術の真相と反省(II) ロケットエンジンと局地戦闘機「秋水」の試作より進発』(興発社、1952年)
- 松岡久光『日本初のロケット戦闘機「秋水」 液体ロケットエンジン機の誕生』(三樹書房、2004年) ISBN 4-89522-392-2
- こがしゅうと (2016年5月). “アナタノ知ラナイ兵器「秋水 第一回」”. スケールアヴィエーション (大日本絵画): 40-41.
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▲はライセンス生産 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1945年以前 (海軍名称/陸軍名称/統合名称) |
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1946年以降 |
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関連項目 |
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