空無辺処
空無辺処(くうむへんしょ、梵: Ākāśa-anantya-āyatana、巴: Ākāsānañcāyatana)とは、九次第定のひとつで、無色界の(下から数えて)第1天。無量空処(むりょうくうしょ)とも言う。物質的存在がまったく無い空間の無限性についての禅定の境地[1]。
虚空(Ākāśā; 何もない)に果てがない(anattā; 無辺)状態へ入り込んだ(āyatana; 処)との意味[1]。
物的存在たるこの肉体を厭い、無辺の虚空の自在を欣び、空無辺の理(ことわり)を解し、修行して生ずる処である。欲界と色界とにおける一切の物質的な形を離れ、一切の作意のない、無辺の空を観じる禅定。形のあるこの肉体を厭い、大空は無限であることを達観すること。無色界には空間的な場所はないが、果報の違いに依って感じるので「処」と名付ける。
脚注
- ^ a b アルボムッレ・スマナサーラ; 藤本晃『ブッダの実践心理学 アビダンマ講義シリーズ 第2巻 心の分析』サンガ、2006年、Chapt.3。ISBN 978-4901679169。
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