美徳党

美徳党(びとくとう、トルコ語: Fazilet Partisi, FP)は、トルコイスラーム政党

沿革

美徳党の前身は、1998年に軍部の圧力により非合法化された福祉党である。福祉党党首のネジメッティン・エルバカンは、福祉党の非合法化を予見して、後継政党の設立を準備しており、1997年12月に非福祉党員のイスマイル・アルプテキンを党首とする美徳党が設立された。福祉党は、1998年1月の憲法裁判所判決により非合法化され、所属議員の大半は美徳党に移籍した。

1999年に行われた総選挙では、111議席を獲得したが、前回選挙で福祉党が獲得した158議席に及ばず、議会第3党となった。

美徳党の党人事では、執行部が刷新され、国民秩序党時代からのエルバカン側近に加え、1990年代に台頭した若手活動家が党幹部となった。2000年の党大会では、若手活動家が推すアブドゥラー・ギュルと、古参幹部が推すレジャイ・クタンの間で党首選挙が行われ、クタンが党首に選出された。

2001年に憲法裁判所の決定により美徳党は非合法化され、所属議員と支持勢力は、クタンが率いる至福党と、ギュルや前イスタンブール市長のエルドアンが率いる公正発展党に分裂することとなった[1]

総選挙での得票率、獲得議席数

美徳党が参加した総選挙での得票率、獲得議席数は以下の通り[2]

党首 得票数 得票率 獲得議席
1999年 レジャイ・クタン 4,805,381 15.4% 111

歴代党首

  • イスマイル・アルプテキン(İsmail Alptekin 在任1997年-1998年
  • レジャイ・クタン(Recai Kutan 在任1998年-2001年

脚注

  1. ^ 澤江 pp.179-187.
  2. ^ Milletvekili Genel Seçimi sonuçları (トルコ政府統計局 国政選挙結果)

参考文献

  • 澤江史子 『現代トルコの民主政治とイスラーム』 ナカニシヤ出版 2005年 (ISBN 4-88848-987-4)
現在の主要政党
イスラーム主義
右派

公正発展党(AKP、2001-現在) - 至福党(SP、2001-現在)

中道左派

共和人民党(CHP、1923-現在) - 民主左派党(DSP、1985-現在)

中道右派

好い党(İYİ、2017-現在)

右派

民族主義者行動党(MHP、1969-現在)

クルド

民主的諸地域党(DBP、2014-現在) - 国民民主主義党(HDP、2012-現在)

その他

自由連帯党(ÖDP) - 大統一党(BBP)

トルコの旗
かつての主要政党
中道右派

公正党(AP、1961-1980) - 祖国党(ANAP、1983-2009) - 正道党(DYP、1983-2007?)

イスラーム主義

国民秩序党(MNP、1970-1972) - 国民救済党(MSP、1972-1980) - 福祉党(RP、1983-1998) - 美徳党(FP、1997-2001)

クルド系

人民民主党(HADEP、1994-2003)民主国民党(DEHAP、1997-2005)民主社会党(DTP、2005-2009)民主社会党(BDP、2008-2014)

Portal:政治学 - トルコの政治
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
国立図書館
  • ドイツ
  • アメリカ