プラントル数

プラントル数(プラントルすう、: Prandtl number)は熱伝導に関する無次元物性値であり、流体動粘度温度拡散率の比である。名称はルートヴィヒ・プラントルにちなむ。

定義

しばしば Pr と書かれ、次の式で定義される:

P r = ν α = η c p k {\displaystyle {\mathit {Pr}}={\frac {\nu }{\alpha }}={\frac {\eta c_{\mathrm {p} }}{k}}}

ここで

  • ν = η/ρ : 動粘度
  • α = k/(ρcp) : 温度拡散率


物質 プラントル数
水銀 0.015
空気などの気体 約0.7
デンプン 0.845
冷媒R-12 4 - 5
(常温) 約7
エンジンオイル 100 - 40,000
マントル[1] 約1024

物理的な意味

対流における対流セルの水平パターンは、実際の流体の空間スケールに関係なく、プラントル数とレイリー数の関係によって決まることが知られている。プラントル数が大きいほど定常な対流セルを得やすいため、実験ではプラントル数の大きいシリコンオイルなどを用いることがある。

プラントル数の大きな流体は以下の性質を持つ:

  • 粘度 > 温度拡散率
  • 速度境界層厚さ > 温度境界層厚さ
  • 断熱的性質を持つ。

脚注

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  1. ^ 鳥海光弘他、岩波講座地球惑星科学10 『地球内部ダイナミクス』、岩波書店、268ページ、1998年。ISBN 4-00-010730-5

関連項目

アーセル数 - 圧力係数 - アトウッド数 - アルキメデス数 - イリバレン数 - ウェーバー数 - ウェーバーの火炎速度数 - ウォーリスパラメータ - ウオマスリー数 - エクマン数 - エッカート数 - エトベス数 - エリクセン数 - オイラー数 - オーネゾルゲ数 - 拡散数 - ガリレイ数 - カルロビッツ数 - 管摩擦係数 - キャビテーション数 - キャピラリ数 - クーラン数 - クーリガン・カーペンター数 - クタテラッゼ数 - クヌーセン数 - グラスホフ数 - グレーツ数 - 形状係数 - ゲルトラー数 - コルバーンのJ因子 - シャーウッド数 - シュミット数 - スタントン数 - スチュアート数 - ストークス数 - ストローハル数 - ゼルドビッチ数 - ダンケラー数 - チャンドラセカール数 - ディーン数 - テイラー数 - デボラ数 - ヌセルト数 - ハーゲン数 - ハルトマン数 - ビオ数 - ビンガム数 - フーリエ数 - ブラウネル・カッツ数 - プラントル数 - ブリンクマン数 - フルード数 - ブレーク数 - ペクレ数 - ベジャン数 - マークシュタイン数 - マッハ数 - マランゴニ数 - モートン数 - ラプラス数 - ランキスト数 - リチャードソン数 - ルイス数 - レイノルズ数 - レイリー数 - ロスビー数 - ロックハート・マルティネリパラメータ - ロッシュコ数 - ワイゼンベルグ数