カワサキ・バリオス

燃料タンクの跳ね馬エンブレム

カワサキ・バリオス(BALIUS)は、かつて川崎重工業が製造販売していた総排気量250ccのオートバイである。

バリオスとは、ギリシア神話に登場する不老不死の神馬の名前である(BALIUSはそのラテン語経由の英語表記)。燃料タンクにはその神馬をイメージした跳ね馬のエンブレムと“BALIUS”のロゴが描かれており、ほとんどのカワサキのバイクに入っている“Kawasaki”のロゴは、一部のモデルを除いて描かれていない。

概要

BALIUS
基本情報
排気量クラス 軽二輪
車体型式 ZR250
エンジン ZX250CE型 249 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 (B5~B7F)49.0 mm × 33.1 mm / 12.2:1
最高出力 45ps/15000rpm(A1,A2)
40ps/15000rpm(A3~B4)
39.5ps/14000rpm(B5~B7F)
最大トルク 2.6kg-m/11500rpm(A1,A2)
2.4kg-m/10000rpm(A3~B4)
2.1kg-m/13000rpm(B5~B7F)
      詳細情報
製造国 日本
製造期間 1991年-2007年
タイプ ネイキッド
設計統括
デザイン
フレーム ダブルクレードル
全長×全幅×全高 2005 mm × 730 mm × 1055 mm
ホイールベース 1380 mm
最低地上高 150 mm
シート高 745 mm
燃料供給装置 キャブレター (Keihin CVKD30×4)
始動方式
潤滑方式 ウェットサンプ
駆動方式 チェーン駆動
変速機 常噛6段リターン
サスペンション テレスコピック式(インナーチューブ径39mm)
スイングアーム式(ユニ・トラック)
キャスター / トレール
ブレーキ シングルディスク300mm(外径)
シングルディスク230mm(外径)
タイヤサイズ 110/70-17(54H)
140/70-17(66H)
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 15L
14(B7~B7F) L
燃費 51.5 km/L
カラーバリエーション
本体価格 49万9,000円
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車 ホンダ・ホーネット250ヤマハ・ジール
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1991年4月、クオーター(250cc)ネイキッドスポーツモデルとして登場。同社のレーサーレプリカ「ZXR250」由来の水冷エンジンを中低速重視にリセッティングしシリンダーに空冷風のフィンを加え、左右のクランクケースカバーの形状などを変更して搭載。最高回転数は19000rpm(I型,II型前期(A1-A6,B1-B2)、II型後期(B4-B7F)からは18000rpm)で非常に甲高い排気音が特徴。

一部のバイクユーザーからはこの音をF1サウンドと呼び親しまれている。高回転域の優れた加速性能で400ccにも劣らないトルクを持ち、最高出力45ps(15000rpm)を発揮する(1993年のA3からは新馬力規制により40psへ変更)250ccとしては現代の同クラスよりも走りを重視したハードな乗り味だが、ネイキッドで軽量な車体と高いハンドルポジション、またシート高は低く作られているためオートバイ初心者や女性にも扱いやすくなっている。 足回りにはモノショック式リアサスペンションと大径ディスクブレーキを採用。マイナーチェンジによりハザードランプスイッチ、燃料計等を搭載した。

年毎にカラーリング変更などを行いながら販売を継続され、1997年4月、2本ショック式リアサスペンションを採用したバリオスII へフルモデルチェンジ。スロットルポジションセンサー付きのキャブレターを新たに採用し、エンジンレスポンスを向上させた。

なお同車は2002年2月から2005年まで、同じオートバイメーカーのスズキへOEM供給され、250ccネイキッドバンディット250の後継モデルとして、GSX250FXの名称で販売されていた。

長い間人気のあるモデルであったが、自動車排出ガス規制の強化により2007年8月末をもって生産終了となった。

関連項目

外部リンク

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  • スズキ・GSX250FX(ニュースリリース2002年1月22日)
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